第一章 新米侍女、冷酷皇帝に抱き枕を命じられる①

 秋も深まってきた今の季節は、みずは指先がじんとしびれるほどに冷たい。

 それでも、半月前に王城のじよになったばかりのトリンティアにとっては、がいろうそうは好きな仕事のひとつだ。

 場所にもよるものの、掃除の合間に視線を上げれば、じゆうこうな石造りのかべにほどこされた見事な浮き彫りレリーフを見ることができる。

 約一年半にもおよぶ皇位争いの内乱のせいで、外廊の向こうに広がる庭は草木がしげり放題になっているが、浮き彫りは、人間達の争いになど興味はないと言わんばかりにただたんぜんとそこにある。

 この廊下にほどこされているのは、ぎんろうこくの建国神話の一節らしい。

 高台から天へ向かってえるきよだいな銀狼と、その足元にひざまずく人々の姿が、その次の浮き彫りには、古めかしいがごうしやしようまとい、けんく王の姿と、そのわきひかえるおとの姿がえがかれている。

そうてんひびわたるはとうとき銀狼のかちどきの声

 数多あまたの敵は銀狼のに打たれ、地にせる」

 幼いころ、義理の姉のエリティーゼとともに家庭教師に習った建国神話の一節が、無意識にトリンティアの口をついて出る。

「人知をえる力をるう王をいやすはうるわしき『花の乙女』

 たけき王も乙女のそばでは微睡まどろまん……」

 やわらかな微笑ほほえみを浮かべる見事な『花の乙女』の浮き彫りに、トリンティアはかんたんためいきをこぼす。

 赤子を除けば、銀狼国の建国神話を知らぬ者など、一人もいないだろう。

 銀狼のしんと言われるこうていに仕え、はなやかにく美しい巫女みこ達。建国神話にもうたわれる麗しの乙女に一度もあこがれたことのない少女など、きっといないにちがいない。

 トリンティアとて例外ではない。王城にほうこうしてから聞いたうわささえなければ、のんきに憧れていただろう。

 石造りの外廊に跪いたトリンティアは、ぶるりとせた身体からだふるわせる。外廊を渡る風は冷たいが、この震えは風のせいではない。きようのためだ。

 半年前、銀狼国の新皇帝としてそくした青年皇帝・ウォルフレッドは、かげで『れいこく皇帝』とあだ名されるほど、れつようしやのない性格なのだという。

 いつかいの侍女であるトリンティアが皇帝にまみえる機会など、天地がひっくり返っても起こりえないだろうが、視界のはしに入ることすら絶対にけたい。

 義父のサディウムはくしやくのことを思い出し、身体が恐怖に震え出す。トリンティアにとって、貴族の男性は、おおかみやおとぎ話に出てくるかいぶつ以上におそろしい。

 ぞうきんを固くにぎりしめ、ゆかひざをついて震えていると。

「ちょっと! 何さぼってるのよ!」

「さっさとしなさいよね! 私達の分だってあるんだから!」

 同室の少女達から厳しい声が飛んできた。

「ほんっと、いやよねぇ。こんな冷たい水で拭き掃除なんて」

「手があかぎれになっちゃうじゃないの。ほら、よごれた雑巾、洗ってしぼってよ」

 二人がトリンティアに雑巾を投げてよこす。

 即位後、新皇帝ウォルフレッドは、王城の人手不足を解消するため、各地の領主に人員の供出を割り当てた。トリンティアも同室の少女達もそんなけいで王城へ奉公に上がった者達だ。でなければ、下働きだったトリンティアなど、絶対に王城の侍女になれない。

 トリンティアは自分を侍女としてすいせんしてくれた血のつながらぬ姉を思う。エリティーゼがサディウム伯爵を説得してくれなかったら、トリンティアは今もまだ故郷のサディウム領でれいに等しいあつかいを受けていただろう。

 トリンティアを妹として、ゆいいつ、大切におもってくれるエリティーゼと別れるのは、身をかれるようにかなしかった。

 けれども同時に、トリンティアを思いやってくれる義姉あねやさしさにこたえねばと……。

 ほどなく想う人と結ばれ、サディウム領をはなれていく姉が、何のうれいもなく旅立てるようにしなければと。そう、決意して王城へと来たのだ。

 ゆうふくな商家の出だという二人は、華やかさとはえんの雑用ばかりの侍女の扱いにひどくらくたんしたらしく、ことあるごとに不平不満をこぼしている。

「侍女として王城で奉公していれば、皇帝陛下のに留まることもあるかもしれないと期待していたけど……」

「でも、いくら見目麗しくてしい御方でも『冷酷皇帝』じゃあねぇ……。いつご不興を買って首をられるか」

 どうりようが恐ろしげに身を震わせる。

「命がしければ、『冷酷皇帝』の視界には入らないにしたことはないわよね。あーあ。前皇帝のなら、皇子殿でんが四人もいらっしゃって、どなたかの御目に留まればぜいたくし放題だったでしょうに……」

 トリンティアが雑巾を絞っている間も、二人の不満はとどまるところを知らない。「どうぞ」と雑巾を渡しても、動く気配すらなかった。

「あ、あの……。手を動かさないと、終わりませんよ……?」

 おずおずと話しかけたたん、二人がまゆを逆立てる。

「なぁに!? 私達に命令しようっていうの!?」

「不満があるなら、あんたが自分で掃除なさいよ!」

 険しい表情の二人にめ寄られ、たじたじとなる。

「も、申し訳ありません! で、ですが、ちゃんと掃除をしないと、じよがしらのイルダ様にまた𠮟しかられてしまうことに……」

「うるっさいわね!」

「あんたの掃除がおそいんでしょ!? それを私達のせいだって言いたいわけ!?」

「い、いえ、そういうわけでは……っ」

 びくびくと震えながら首を横に振るが、いかりに火がついた二人はおさまりそうにない。

「だいたい、前から気に入らなかったのよね!」

「領主の養女って話だから、どんなのかと思ったら。拾われっ子の下働きなんでしょ?」

「そんな身分のくせに、たまたま同室だからって、えらくなったとさつかくしてるんじゃないの!? やめてよねっ! 下働きなんて、本当なら私達とは口もきけない身分なんだから!」

「ち、違いますっ! すみませんっ、そんなつもりじゃ……っ」

 震える両手をぎゅっと胸の前で握りしめ後ずさろうとしたが、それより早く、背後に回り込まれる。

「下働きのくせにこんなれいなリボンなんか結んじゃって! 生意気なのよ!」

 言うが早いか、後ろでかみをひとつに束ねていたレースのリボンをほどかれる。ばらりと広がったくすんだかれ色の髪が、風になぶられた。

「返してくださいっ!」

 大切なリボンを取られたとわかったしゆんかん、自分でもおどろくほどの大声が出る。

「それは姉様からの大切なおくり物なんです! お願いですから返してくださいっ!」

 手をばしてつかもうとするが、ひらりとかわされる。

「へぇ。そんなに大切なものなんだ。だったら、たのみ方ってものがあるんじゃないの?」

「土下座して、返してくださいってお願いしなさいよ」

 ねずみをいたぶるねこのようなみが、二人の顔に刻まれる。

 大切なリボンを返してくれるのなら、土下座なんてなんということもない。トリンティアはなおに膝をつこうとした。が。

「やだぁ。風が」

 わざとらしい声を上げて、同僚が掴んでいたリボンを放す。風にあおられたリボンが、泳ぐように宙をって飛んで行く。

「あ……っ!」

 トリンティアははじかれたように立ち上がると、リボンを追ってけだした。

「必死になって、みっともなぁい」

「追いつけるかしらぁ?」

 背後から二人のちようしようが飛んできたが、答える余裕なんてない。

 視線は風に舞うリボンをえたまま、石造りの外廊を駆ける。曲がり角にさしかかるところで、風にあおられ、さらに高く舞い上がろうとするリボンを掴んだ瞬間。

「きゃあっ!」

 ちょうど、曲がり角の向こうから出てきた青年に、横から体当たりするようにぶつかる。

 たたらをんだ青年を巻き込む形で大理石の床にたおれ込む。しりもちをついた青年の上にのしかかるような格好だ。それでもリボンを放さなかったのは、しゆうねん以外の何物でもない。

「陛下!?」

ろうぜき者か!?」

 青年に付き従っていた二人の男性が口々にさけぶ。けんつかに手をかけるするどい音が鳴った。

(へい、か……?)

 混乱した頭が、耳に入ってきた単語の意味を理解するより早く。

「きゃあぁぁっ! 皇帝陛下っ!?」

 同僚たちの絹を裂くような悲鳴が辺りにひびわたった。


    ● ● ●


 銀狼国の王城のえつけんの間は、張りつめたきんちようかんに満ちていた。

「──つまり、ゼンクールこうしやくは、わたしの即位を認める気はない、と?」

 玉座に座るウォルフレッドが口を開いた瞬間、室内にひやりと不可視のしもが降りる。

「めっ、めつそうもございませんっ!」

 あわを食った使者が、大理石の床に頭をこすりつけんばかりにへいふくする。

「左様なことは決して……っ! ただ、公爵はろうれいで病を得ておりまして……っ。王都へ参ることが難しい身。かしこくもこうてい陛下に拝謁のえいたまわるのでしたら、『てんこう』において、陛下の御代をことぐ際に参らせていただけましたらと……っ」

 そこだけ一足早く真冬が来たようにぶるぶるふるえる使者を、ウォルフレッドはだんじようから無感動に見下ろした。

 前皇帝のおいであったウォルフレッドが、いとこである四人の皇子達との内乱を勝ちき、銀狼国の皇帝としてそくして、約半年。老齢と病を理由にかたくなに拝謁をこばむゼンクール公爵の意図は見えいている。意に沿わぬことで、ゼンクール公爵家は新皇帝の即位を認めているわけではないと、内外に知らしめたいのだろう。

 ゼンクール公爵のすえむすめは前皇帝の側室となり、第四皇子・レイフェルドを生んでいる。

 レイフェルドは前皇帝のちようあいも深く、公爵の強力な後押しもあったため、上の皇子達を飛び越えて、皇位をぐかもしれないと言われていた青年だ。

 つつがなくことが進んでいれば、新皇帝として孫が即位し、皇帝の祖父として権力をるえていたはずのゼンクール公爵にしてみれば、ウォルフレッドに膝をくつし、忠誠をちかうことは、くつじよく以外の何物でもあるまい。

 だが、レイフェルドはウォルフレッドとの戦いの最中さなか、傷を負って谷へ落ち、そのまま行方ゆくえ不明となっている。ゼンクール公爵にとっては、レイフェルドが生死不明ということも、野望をあきらめきれぬ原因のひとつなのだろう。

 皇帝としての強権を発動して、ゼンクール公爵を領地から王都へ無理やり呼び寄せることは不可能ではない。だが。

 ウォルフレッドはもくしたまま、ばやく思考をめぐらせる。銀狼国で一、二を争う勢力を持つゼンクール公爵に、新皇帝への忠誠を誓わせることで、ウォルフレッドにげいごうするぞうぞうの貴族達と、逆に敵意をつのらせるであろう勢力。それによって生まれるあつれきを。

 ずくり、と右のこめかみがきりされたように痛む。

 ちっ、と鋭く舌打ちすると、平伏する使者の背が、むちたれたようにびくりと震えた。頭を万力でめ上げられるような痛みは強まるばかりだ。同時に、内臓からくさっていくかのようなにぶい痛みが、全身をおかしていく。

(……手が、足りんな)

 奥歯をみしめて痛みをこらえながら、ウォルフレッドは内心でたんそくする。

 王都は今、約半月後にひかえた『天哮の儀』の準備であわただしい。『天哮の儀』とは、ぎんろうの血を引く皇帝がおおかみと化して声高く天へえ、天の加護をこいねがう建国以来の重要な儀式だ。

 即位後、初めて行われる『天哮の儀』は、新皇帝としてのけんを王都へ集まる貴族達に知らしめる最たる機会であり、単なる伝統儀式以上の意味がある。

 今後の治世を安定させるためにも、決して失敗は許されない。今は儀式を成功させるために、全力を注ぐべきだ。

 そもそも、ウォルフレッドに忠誠を誓っていない大貴族はゼンクール公爵だけではない。

 ゼンクール公爵に並ぶ大貴族、ベラレス公爵もまた、老齢と病を理由にしきに引っ込んだままだ。だが、おもてたいに出てきておらずとも、いまだいんぜんたる勢力を保持しているのはほかの貴族達の動きを見れば明らかだ。

 ゼンクール公爵にかかずらっている間に、ベラレス公爵に背後をおそわれてはたまらない。ウォルフレッドは心の中で方針を決めると口を開いた。

「わざわざ使者をつかわしたゼンクール公爵には、返礼をせねばならんな」

 使者がおずおずと顔を上げる。刺すようなこめかみの痛みへのいらちをくちびるに乗せ、ウォルフレッドは冷笑を刻んだ。

「おぬしの首をっておくるというのはどうだ?」

「ひぃぃっ」

 そうはくな顔でのけぞった使者が悲鳴を上げる。がくがくと震える使者を冷ややかにいちべつし、「だが……」と低い声でつぶやいた。

「首だけでは、公爵への言葉も伝えられぬな」

「さ、左様でございます!」

 使者がこわれた人形のようにこくこくうなずく。頭の中では、これまでにウォルフレッドがしよけいした貴族達の顔と名前が目まぐるしく巡っているにちがいない。

「わたくしめにお任せいただけましたら、陛下のことを一言もあやまたず公爵様にお伝えいたしましょう! 公爵様が拝謁に来られるよう、言葉をくして説得いたしますっ!」

 おのれの首がかかった使者が必死に熱弁を振るう。ウォルフレッドは期待を持たせるように、ゆっくりと頷いた。

「そうか。それは頼もしいことだ。では、ゼンクール公爵に伝えてもらおうか。『天哮の儀』でまみえることをわたしも楽しみにしている、と」

 公爵は、これを聞いてどう考えるだろうか。『れいこくこうてい』といえど、じようせざるをえなかったのだとおごるか、『天哮の儀』までゆうができたとあんやくするか……。

 何か画策しているのなら、せいぜい早くに尻尾しつぽを出してくれればよい。

 無言であごをしゃくると、「下がってよい」と玉座のわきに黒いよろいまとって控える将軍のゲルヴィスが、しかつめらしい声で告げた。使者がげるようにそそくさと退出する。

 とびらの外に控える衛兵が重々しい扉を閉め切ったのを見届けてから、ウォルフレッドは玉座に右ひじをつき、あらい息をき出した。こめかみの痛みは、えがたいほどになっている。背中にじわりといやあせがにじんでいるのが、ふれずともわかる。

「かなりお加減が悪いようですね」

 今までずっと黙していたさいしようのセレウスが静かに口を開く。

「苛立った様を演じるのにはちょうどよいがな」

 ウォルフレッドは唇をり上げてうそぶいた。日に日に痛みが増してきている気がする。今では、気を張っていなくては、謁見の最中でさえ痛みにうめきそうになるほどだ。

「……『花のおと』の行方は?」

 強大な銀狼の力を振るうだいしようとして、苦痛にさいなまれる銀狼国の皇族。それをいやすことができるのは、数万人に一人しか現れぬ『花の乙女』と呼ばれるとくしゆな力を宿した女性達と、彼女達が作る『乙女のなみだ』と呼ばれる秘薬だけだ。

 本来であれば見つかりだいすぐにしん殿でんで保護されるはずの『花の乙女』達だが、皇位争いのえいきようで、現在、ウォルフレッドのそばには一人もいない。

 答えを知りつついちの望みをかけて問うと、案の定、セレウスはれいおもをしかめてかぶりを振った。

「申し訳ございません。手を尽くして探してはいるのですが……」

「まさか、お前のしゆわんをもってしても、一人として見つからんとはな。貴族どもはよほど奥深くに『花の乙女』達をかくまっているらしい」

 嘆息まじりに呟いたウォルフレッドに、セレウスが真面目まじめな声で応じる。

「実際、その通りなのでしょう。内乱の際、皇子達は真っ先に『花の乙女』の確保に動きましたから。そして、陛下の銀狼の御力が抜きん出ていると知った後は、決して陛下に『花の乙女』を得させぬよう、その点だけは志をひとつにしているようでございます」

「あー、確かに。俺が敵だったら、俺だって何があろうと陛下が『花の乙女』を手に入れるのをするだろうなぁ」

 丸太のようなうでを組んだゲルヴィスが、みようにしみじみとした口調で何度も頷く。

「俺も人間相手ならそうそう引けを取る気はないんすけど、さすがに人のを持ったけものの相手はごえんりよしたいっすよ」

 ここに余人がいれば「なんと不敬な!」とそく𠮟しつせきが飛ぶような口調だが、広いえつけんの間にいるのは、三人だけだ。ゲルヴィスの言葉をとがめる者はだれもいない。

「今日の謁見はこれで終わりだったな?」

「はい。目をお通しいただきたい文書は、執務室へすでに運びこんでおります」

 セレウスがたんたんと頷く。

「手回しのよいことだ。その調子で、一刻も早く『花の乙女』を見つけてほしいものだな。いや、乙女自身でなくともよい。『乙女の涙』だけでも手に入れられれば……」

「全力を尽くします」

 うやうやしく一礼するセレウスに視線を向けもせず、ウォルフレッドは玉座から立ち上がる。動いたひようにひときわ強く頭が痛み、思わず押し殺した呻きをらした。ゲルヴィスの太いまゆが心配そうに寄る。

「ひどい顔色っすよ? やっぱり痛みでろくにねむれていないんじゃないっすか? 少し休息を取られたらどうっすか?」

「不要だ。休んだところで、痛みがとれるわけでもないからな」

「しっかし……。たおれちゃ元も子もないでしょう? 弱みを見せたたん、反旗をひるがえしてのどぶえに噛みつこうって連中がわんさといるんすから」

 ゲルヴィスが顔をしかめたままこぼす。

「倒れんさ」

 やいばるうように、きっぱりと断言する。

ほんなど、起こさせん。そのための『冷酷皇帝』だ」

 ウォルフレッドの顔を見たゲルヴィスが、やれやれと嘆息する。

「わかった。わかりましたよ。ったく、そんな顔をしている時の陛下は、他人の言うことなんざ聞きゃあしないのはよぉく知ってますからね。ま、でも」

 不意に、ゲルヴィスがどうもうみを見せる。

「どうしても眠りたい時は、俺に言ってください。いちげきらわせてでも、無理やり眠らせてさしあげますから」

「その際は、見えるところに傷を残すのはけてくださいね」

 セレウスがさらっと人でなしなことを言う。

「……お前たちの忠心には涙が出るな」

 二人のやりとりに、久々に口元に笑みがかぶ。

「『花の乙女』さえ見つかれば、苦痛に苛まれることもなくなるのだがな……」

 ひとついきし、ウォルフレッドは執務室へ行くべく歩を進めた。

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