第28話 そのまま少しずつ…5
大輝は、
父親とご飯を食べに来ていた。
父親と会う機会も増え、
二人とも、
本当に友達のような
親子になっていた。
連絡は、たまにで
「今度、飯でも行くか?」
と、父親から連絡がきたり、
「今度、
行きたいところがあるんだけど
連れてってくれない?」
と、大輝が連絡したりと、
良い関係になっていた。
大輝は、その事を、
とても嬉しく思っていた。
この日は、
クリスマスパーティーのあとで
そんなに、
お腹が減ってはいなかった為、
軽めに食べて
帰ることになった。
帰りも近くまで送ってもらい
「大輝、これ
クリスマスプレゼントだ!」
と、車から降りようとしていた時に
突然渡された。
驚いきはしたが
すごく嬉しかった。
「ありがとう!
お父さん!
明けてもいい?」
と、聞いて
すぐに開けたみた。
プレゼントの中身は、
アウトドアブランドの
リュックだった。
「大輝と色んな所に
遊びに行きたいと思ってな!」
と、恥ずかしそうに言ってくれた。
「本当にありがとう!
お父さん!
これからずっと使うね!」
と、本当に嬉しそうに
リュックを抱えて言った。
そのまま車から降り
家まで歩いて帰った。
若葉からメッセージが来ていた。
ファミレスであった出来事が
書いてあった。
少しモヤモヤする。
でも連絡が来ていた事は嬉しかった。
そんな事を思いながら
歩いていた。
若葉の家の前を通ると、
若葉の部屋の明かりがついていた。
「もう帰って来てたんだ。
クリスマスプレゼント
今日渡した方がいいかな?
…
やっぱり
今日渡した方がいいよね!
クリスマスプレゼントを
取ってこよ!」
さっき父親に
クリスマスプレゼントを
貰えて嬉しかったので
本当は明日にでも
渡すつもりだったが
若葉にも
今すぐ渡したくなってしまったのだ。
そのままの勢いで
急いで家に向かった。
「ただいま!」
と、言って急いで部屋に向かい
プレゼントを持って、また
「ちょっと行ってきます!」
と、出掛けていった。
若葉に電話を掛けたが
通話中で、繋がらなかった。
若葉の家の前まで着いて、
もう一度、電話を掛けてみた、
やはり通話中で、繋がらなかった。
若葉の部屋の明かりはついている。
「誰かと電話してるんだな」
と、思いメッセージを入れて
少し待つ事にした。
30分ほど待ったが
連絡は、来なかった。
「まだ電話してるのか…」
その後も、少しだけ待ったが
連絡は返ってこなかった。
若葉の家の玄関の前に
クリスマスプレゼントを置き
メッセージだけを送って
家に帰って行った。
「結局、直接渡せなかったな…」
と、深い溜め息を吐いた。
家に着き、
急いでシャワーを浴びて
すぐに寝る事にした。
でも、眠れなかった。
父親と会えた事で
感情をコントロール出来ていたが
また今日ので出来事を
思い出してしまった。
若葉からの連絡も帰って来ないので
尚更だった。
「やっぱり白石と電話してたのかな…
今日は、いつもより距離が近かったしなぁ…」
と、悶々とした気持ちでいた。
その後も、若葉からの
連絡が帰ってくる事はなかった。
大輝は
いつの間にか寝ていたのだろう。
目を覚ますと朝の6時だった。
今日は午前中だけ部活だった為
朝食を食べ、支度をして
部活に向かった。
起きてから携帯をチェックしたが
若葉からの連絡は、なかった。
ガッカリした気持ちと
寂しい気持ちになっていた。
部活に向かいながら
歩いていると
父親から電話が来た。
「どうしたの?」
と、聞くと
「大輝、年末まで家に来ないか?」
と、突然言われた。
「なんかあるの?」
と、聞くと
「年明けたら
お母さん、再婚するだろ?
そうするとなかなか
誘いづらくなるかなって
思ってな!
東條さんにも気を使いたくなくてな…」
と、言って来た。
大輝は、父親と
もっと色んな所に行ってみたかったので
二つ返事でOKした。
「母さんには俺から言っとくから
午後に駅で待っててくれ!」
と、嬉しそうに伝えてきた。
大輝は
若葉の事で、
落ち込んでいたので
丁度良かった。
午後が楽しみになった。
部活が終わり、
急いで家に帰る事にした。
携帯をチェックしようとも思ったが
連絡が来ていなかったら
また落ち込んで音しまうと思い、
チェックせずに帰った。
家に着き、
昨日貰ったリュックに
必要な物を入れ
急いで支度した。
下着や着替えなどは
母親が、ボストンバックに入れて
用意して置いてくれたので
すぐに出かける事にした。
大輝は元気よく
「行ってきます!」
と、言って玄関のドアを開けた。
「いってらっしゃい!
楽しんでくるのよ!」
と、母親が嬉しそうに見送ってくれた。
若葉の家の前を
あまり見ないように
走って通り過ぎた。
そのまま急いで駅に向かった。
駅の近くまで来て
父親に連絡をしようと
携帯を見た。
すると
若葉から連絡が来ていたのだ。
部活に行っている時間だったから
気付かなかったが
電話もメッセージも来ていた。
メッセージを見てみると
「昨日来てくれたのにごめん。
蓮君と電話してて
全然気付かなくて
そのまま寝ちゃってたんだ。
本当にはごめんなさい。
クリスマスプレゼント
ありがとう!
さすが大輝!
私の好きな物をわかってるね!
すごく嬉しい!!」
と、入っていた。
「私もクリスマスプレゼント
用意してあるから
今日、渡したいんだけど
少し会える?」
とも、入っていた。
「蓮君?あぁ白石の事か…
下の名前で呼び合うくらい
仲が良くなったんだ…」
一気に、胸が締め付けられた。
自分の気持ちを
抑え込むのに必死だった。
若葉に、返信はせず
父親に連絡した。
父親は、
もう駅に着いているらしいので
駅に向かって走った。
駅に着き、父親と合流できた。
父親の車に乗り込み
父親に家に向かう事になった。
走った事で少し落ち着いた。
車の中で
若葉に返信のメッセージを打った。
「今日から父さんの所に
年末までいる事になったんだ。」
と、先に送り
「昨日しか直接渡せなかったから
帰ってから行ったんだけど
電話が、繋がらなかったから
玄関に置いてきちゃったんだ。
ごめんね。」
と、だけ送った。
そのまま携帯を見ないように
バックにしまった。
「これで若葉とは、
年明けまで会えないなぁ…」
大輝も、窓の外を見つめながら
そんな事を、考えていたのだ。
二人は、
少しずつ
すれ違っていった。
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