乾杯

ももいくれあ

第1話

くたびれた後ろ姿を、

 どっぷり湯ぶねに浮かべてみた。

深い安堵のため息を、

 低い空がのみ込んだ。

昨日の夜も思い出せない

 淋しい時間に佇んでいた。

目を閉じれば聞こえるはずの、

 都会のリズムも流れない。

大きく息を吸いすぎて、

 吐くことを忘れていた。

心呼吸(しんこきゅう)をするために、

 一時間半走らせた。

グラスに注いだ日本酒に、

 今日はどっぷり溺れてみよう。

透き通った山の水は、

 涙ぐむほどうまかった。

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乾杯 ももいくれあ @Kureamomoi

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