壮年篇(3)『眠気と笑い』 TOKYO FM「福山雅治のSUZUKI Talking F.M.」

 娘がやっと眠ってくれたようなので、これで、やっと福山のラジオが聴ける。


 実家から赴任先にある地方都市にあるマンションまでの距離は120km。もちろん、高速道路を使って帰るのだが、インターチェンジ近くにあるホームセンターコメリのニワトリのマークが目に入ると『お母さん、カムカムレモンちょうい』と娘がグミみたいな飴をねだり、それを噛みながら眠りに入るといういつものルーティーン通りだ。

 眠りに入るまでは「ぞうさん」だの「げんこつやまのたぬきさん」だのといった童謡がたくさん入ったCDを流すのだが、この慣れ親しみ過ぎた曲たちは俺の眠気を否応なく誘ってくれる。

『カムカムレモンちょうい』と俺が妻にねだってから、童謡のCDの音量をゆっくり下げて、そして、FM新潟にチューンする。


 よかった。まだ「ふつおた Reading」のコーナーだった。この分で行けば、トンネルに入る前に雅子のコーナーが聴ける。

 この番組が始まった90年代の中頃から、日曜日の16時台に車に乗っていれば必ず聞いてきた。当初は、世間を賑わわせている諸問題についてリスナーに意見を問う「5時まで討論会」をやって、福山も最後に本音を語るという少々、胡散臭い構成だったのだが、構成作家の今浪祐介が笑いのレスポンス以上に番組で喋り始めてから俄然、面白くなったと思う。

「主婦・雅子のTalking F.M.」のコーナーは、福山扮する「男心の分かる主婦」雅子(永遠の37歳設定)が女性リスナーの悩みに答えるコーナーだ。今浪さんが相談のメールを読み上げた後、雅子が『ズバリ、言ってもいい?』と一言断り、今浪さんが『お願いします』と言うと『○○ちゃん(ラジオネーム)、~よ』と意見をズバリと述べる構成だ。そのズバリ意見で、今浪さんと同時に俺も大概、吹く。


『主婦雅子のトーキーェングエフエ~ンム』

 いよいよ始まった。


『うぎゃああああああ』


 あゝこのタイミングで起きるかよ…



♪ぞーうさん ぞーうさん おはながながいのね 





*ご興味のある方、こちらでお聞きくださいませ

「主婦雅子のTalking F.M.」 2011 5.08~7.10 8回放送分

https://www.nicovideo.jp/watch/sm17789581





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