第7.5話



「ただいまぁ…」


「おかえりー、バイトお疲れ様ー」


「おーう。…はぁ、飯作るの嫌だな」


「ちょっとー、達也が作らないと私が餓死しちゃうじゃない」


「わーってるよ。…ったく、少しだけ待ってくれないか?今日のバイトはいつにも増して忙しかったから少し休憩させてくれ」


「仕方ないわねー、ほら。来なさい」


「膝をポンポンしてどうした?」


「…鈍いわねー。膝枕でもしてあげようかと思ってるのよ!」


「…うーん」


「あら、すぐに断らないのね。これもあれかしら、恋人になった影響かしら?」


「まぁ、断るわ」


「はぁ!?なんでよ!そこは、あぁ…恥ずかしいけどお願いするわ。って言って、膝枕されて、私に頭を撫でながら熟睡しちゃって気づいたら数時間経過してた!ってやつでしょ!!」


「どんなら世界のラブコメだ!!仮眠するだけだ、たっ数分だけの仮眠だ」


「…もお!折角人が恥ずかしい思いを我慢しながらやってあげようと思ってるのに」


「また今度お願いするわ」


「…仕方ないわね」


「…んじゃ、ちとばかり寝るわ。寝てから5分くらいしたら起こしてくれ」


「はいはい」


「おやすみさん」


「おやすみ」




〜〜〜〜



「すぅ………すぅ」


「すぐに寝たわね。…よっぽど忙しかったのかしら?うーん、今度宝くじでも買ってみようかしら。もし、それで一等とか二等当たったらバイトもやめたらいいんだし…仕事しないでニートになるってのは世間的にはダメだけど…いいよね。覚えてたらやってみよー」



「…それにしても。横になって寝てないからそんなに疲れは取れなさそうだなぁ……起こさない程度に動かして膝枕させよっかな?…よし、やってみよ」




「わっ…にゃぁー、いいね。ドキドキするねー、色んな意味で……今まで達也の寝顔とかしっかりと見ようと思わなかったからあれだけど、子供っぽいなぁ。可愛い……本人に言ったら殺害予告されそうだけど」



「…仮眠って本人は言ってたけど、めちゃくちゃ熟睡してるよね?少しくらいさー、悪戯してもバレないと私は考えるんだけど…うーん、どうしよっかなぁ」



「昨晩の私、普通に達也に…押し倒していいよ、とかその先も普通にいいよって…うーん、私って実はえっちな子なのかな?………自覚はないけどなぁ。

達也が居ない時とかにたまーに発散もしてるし、そんなに溜まってるわけじゃないしなー。あー、でも、今まで好きだと気づかなかっただけで達也の事は好きだった訳でしょ?だから、溜まってく一方だったのかもしれないわね。それが、昨晩発覚して、一気に溜まった。……なんとかしないと、いつか達也に発情女とか言われたら無理矢理犯してやろうかしら。経験ないけど」



「…夜這いってどうやるのかしらね?…って、なんなら今もやろうと思えばやれるのよねー。よく寝ている相手にヤる漫画あるよね……。

そういえば、今日大学であの子に…耳……やってみようかしら?でも、やるなら起きてる時によねー」




「……そもそも、ヤるとしてもゴムちゃんもないし、避妊薬もないし、まずいのよね…赤ちゃんは今は欲しくないし……今は、達也と二人きりで居たいし。って、こうやって二人きりになるとこんな言葉がスラスラ出てくるものなのね……そっか。達也が寝てるからってのもあるか」




「……ねぇ、達也。大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き……ふふふっ、私だけのものにしてあげようかしら。家の中ではそう言う約束だったかしら?……私ってもしかしてヤンデレなの?…あれ、ヤンデレだっけ、メンヘラだっけ。分かんないや…でも」




「達也。大好き、大好き、私だけの、私の達也。他の女には絶対に渡さないし、あなたが他の女に目移りするのも許さない。私だけに、私だけへ達也の想いや性欲を向けるのよ。…あぁ、もぉ……こんなにもあなたを想ってる。重い愛なのは自覚してるけど、達也なら全て受け止めてくれる。本当に…大好き。愛してる… 大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き……だから、


  これから一生、そばに居よっか」





    「私だけの、冴島達也♡」







ーーオマケ



「…あぁ〜、そろそろ起こさないとなぁ。餓死しちゃう。おらー、起きろ」


「…んん……あぁぁ?あー、もう時間か」


「そうだね」


「なんでお前の顔が目の前にあんだよ」


「さぁ?」


「……お前、さては俺を膝枕してるな」


「私の優しさよ?あんたが座ったまま寝てたから横にしてあげよーって思ったの」


「そーかい。…ねみぃ」


「今日は早く寝たら?」


「そうするわ………」


「?どしたの、私の顔ジーッと見て…なんかついてる?」


「少しだけ目を瞑れ」


「はい。…っな、なに!?んむっ……」




「っはぁ。……あー、いや、マジですまん」


「はぁ、はぁ…突然過ぎる。ねぇ!」


「すまんって…我慢出来なかったわ」


「もぅ…強引だったし」


「悪かった。…さて、夕飯作ってくる」


「うん、お願い」 


「まっ、時間かかるからな」


「ん」





「頭掴まれてからの突然のキス……しかも、また口内蹂躙されちゃったなぁ。私も自分のことはヤバい奴だと思ってたけど、達也も大概だよね」


「何か言ったかー?」


「なにもー」















ーー後書き


緋奈の想いが表現された回です。

溜め込みすぎたものが一気に消化されてるから一時的にあんな風になってます。


オマケのあれは、簡単に説明すると。

達也起きる&膝枕に気付く→目の前にある緋奈の顔(唇)を見て、キスしたいという気持ち現れる→緋奈に嘘をついて目を瞑ってもらい、緋奈の後ろ頭をガシッと掴んで無理矢理自分に寄せて、はい。ディープキスです。


…まぁ、こんなのもあと少しだけだから。落ち着くまでの話



緋奈「さっきのあれ、嬉しかったけど…首が」

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