まだない
百合の友
第1話
「おなかすいた」
「いっしょにあそんでよ」
「ねぇ、放っておかないで」
「なんでいなくなるの」
「今日も帰るの遅いよ」
「わたしとしごと、どっちが大事なの?」
「ねぇ、ひとりにしないで」
これだけ伝えても、いくら訴えても、何も伝わらないから、私はせめて体を摺り寄せて、貴女の体温を奪うことに終始する。
「なんで一人ではなしてるの」
「その画面の向こうにいる人は私より大切なの?」
「一緒に寝ようよ」
何を言っても意味の分からない返事ばかり。いいよもう。今日は放っておいてよ。
…………
放っておいてって言ったじゃん。なんで今日に限って優しくするの。もういいよ……でも、その私を撫でる手の温もりには敵わないから、私は今日も貴女に体を預ける。
名前は
まだない 百合の友 @yurinotomo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。まだないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます