第10話 その後
ハルトたちが姿を消してから一年過ぎたある日のこと。
「師匠! 久しぶりに公営ギルドからの応援要請です! 北部グーデス山脈に討伐対象Sランク級のドラゴンが現れたそうです!」
「わかった。では俺も行くか」
「いえ、今回は私たち弟子達に任せて欲しいんです」
「大丈夫か?」
あまり聞く必要はないかもしれないが。
「師匠のおかげで私たち全員ソロでもA級冒険者まで昇格できたんですから。全員で集まればSランクの上位に匹敵できますよね?」
「そうだな。ソフィアに関してはエリクサーなしでもA級にまで昇格してしまうんだから大したもんだよ」
「師匠の指導の賜物ですからね。では行って参ります」
以前よりも更に効率が上がったエリクサーを十個ほど持たせておいたから大丈夫だろう。
私設ギルドの依頼や公営ギルドの応援は弟子たちに任せられるようになった。
ドラゴン程度なら彼女たちに託してももう安心だ。
新人の冒険者たちの育成をしながら、今日も俺はエリクサーのようなポーションを錬金している。
追放された最強錬金術師、ギルドマスターとして規格外の新人育成〜お前らが栄養剤と思って毎日作れと言ってくるお手製ポーションは特級エリクサーなんだけど、本当にもう俺がいなくても大丈夫か?〜 よどら文鳥 @yodora-bunchooo
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