性格が悪いヒト

朝香るか

第1話

 中学1年のGW明け。


「ねぇあの子無視しない?」

「また~?」

「私は興味なーし」

「今度は誰?」

「ミナミ」

「あいつムカつくし。いいでしょ?」


 女子ってこんなもん。

 持ち回りでイジメのターゲット探し。

 言い出すのはいつもあの女。佐藤ライ《サトウライ》。


 あの子さえ言い出さなければ、安定した生活が出来るのに!

「今度はだぁれ?」

「暇つぶしの遊びー」

 自分も最低だし、周りのやつもサイッテー。1人くらい止めろよ。

 まぁ止める発言をした子が、1年以上ハブられている。

 いまでも大変だっているのはわかっている。


 女の世界は最低だ。誰も助けることなんてしない。

 まさに社会の縮図であり、世界の縮図でもある。


 一番発言をしている女が 一番頭がいい。

 それもさらに問題を助長させている 。

 誰も彼女には逆らえない 。


 そんな中学1年の 9月 転校生がやってきた 。

 彼女よりも頭がいい ルックスも良かった 。

 モデル体型って 何度もモデル関係のスタッフが 勧誘に来るくらいには。


 可愛かった 彼女にも 。

 GW明けの時とは別の子を無視しないか。

 くだらない誘いをかけてみる。

 彼女はわからないな。と言っていたという。


「そんなことに時間をかけるより

 やることもできることもいっぱいあるから 」

 彼女の台詞にリーダー格の女がキレた。

「はぁ? あんた何様なんだよ」

「転校してきたくせに生意気すぎ」

 リーダー格の女が言って詰め寄る。

「 私やりたいことがあるの キャビンアテンダントになって

 世界中を飛び回りたいの

 だから英語の勉強フランス語の勉強ドイツ語の勉強 やることいっぱいあって

 で体幹も維持しなきゃいけないから

 トレーニングもしなきゃいけなくて」



「 人の悪口を言っている時間なんてないんだよね」

 自分のやりたいことたくさんやりたいから

 時間がもったいないと思っちゃうんだよね 。

「やっぱりこーゆーの綺麗事ってやつで

 今まであんまり友達できなかったんだよね 」

 それはそうだろう。女子の話題の75パーセントは悪口と噂話、あとはコイバナしかない。

「今はヒールをはいて綺麗に見せることの練習をしているんだ 。あとレストランみたいに綺麗に マナー しっかりしたいし だから YouTube で所作 学んだり書道華道少しずつ。あと茶道もしてみたいな」小福風だ


「はん、あんたアテンダントの必須事項しってんの?」


「美人じゃないといけないのよ」

 8割がたの女性がひるむ言葉にも彼女はどこ吹く風だ。

「そこそこじゃなかなぁ。読モにならないかとは言われたよ。

 それともまだ足りないかなぁ」


 確かに、絶対に無理ではない気がする。


「じゃ、私はこれで」


 

 今までのことを気にせず、去っていった。


「あの女、みてなさいよ」


 その日から陰湿な嫌がらせが幕を開けた。






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