お嬢様は露出狂! 謎の光で隠せ!【ゲーム原案小説 大賞】
椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞
第1話 ネイキッドお嬢様、コンビニで脱ぐ!
「ヒカリさん、わたくし、コンビニに行きたいですわ」
高校へ向かうリムジンの中で、
父親がアメリカ人だからか、日本人なのに金髪縦ロール碧眼という反則的美貌を兼ね備えている。
コケシ人形のように純和風ルックスのわたしとは大違いだ。
「お手洗いですか?」
「いいえ。暑いのでクラッシュアイスをいただきたいんですの」
「買ってまいります」
学校までは、おとなしくしていてほしい。
「買い食いが最高なのですわ。ご同行してくださらない?」
「は、はあ」
ヤバい。響子さんの悪い病気が発症しなければいいけど。
「ああ、暑いですわ!」
車のドアから出て早々に、早脱ぎしやがった!
それはもう、お見通しです!
わたしは両手のひらから、謎の光を放つ。
響子さんの裸体を隠しつつ、吹っ飛んだ制服や下着を回収していく。
「ファッ!?」
店長らしき中年男性が、響子さんを呼び止めた。
こんなところでストリップがバレたら、響子さんは絶対にこの中年男性にやられる。
性的な意味で!
「お客様! 当店でストリップは!」
「いいえ。安心してください! 光の中は、ちゃんと着ています!」
わたしは言い訳して、どうにか店員さんの注意をそらす。
ああ、こんな日がいつまで続くのだろう?
わたしは、
ぶっちゃけ困りものだ。
「露出狂のお嬢様を、謎の光で救え!」って言われても。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
わたしは入学前に、響子さんの母親にお屋敷へ招かれた。
『菜園(なぞの) ヒカリさん、あなたを探していました』
どのような理由で、とこちらが問いかける前に、お母様は語り始めた。
『我が神楽坂(かぐらざか) 響子(きょうこ)の先祖は、アメノウズメノミコトという神です。しかし代償として、呪いを受けました』
わたしは、「それは?」と聞き返す。
『響子は、露出狂です』
これまでは、複数の私兵によって露出を避けてきたが、響子さんのワガママぶりに嫌気が差してみんなやめてしまったという。
『ヒカリさん、あなたはアメノウズメに仕える神「ナゾノヒカリノミコト」の力を受け継いでいます』
謎の光を当てて、アメノウズメの過度な露出を避けたという言い伝えがあるそうで。
『響子を助けてください。あなただけが頼りです』
断ろうにも、お金には勝てなかった。
これで、両親を安心させられるし、ガチャも天井を狙える。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
なんとか店員をごまかし、クラッシュアイスを二人分手に入れた。
「はいどうぞ。ヒカリさん」
「ど、どうも……」
「それにしても」
アイスをガーッと食べながら、響子さんはリムジンの天井を見上げる。
「なんです? 響子さん」
「コンビニって、寒いんですのね」
じゃあ脱ぐなよ!
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