オリジナル曲配信するのに十万近くかかったけどアルバム全然売れねえわ
三文士
第1話
久しぶりにカクヨムに帰ってきた。
ケチな僕は己のエッセイのアクセス数の少なさからリワードの換金率と合わせて考え、最近ではずっとアルファポリスで書いていたのだ。だが先日、数少ないコメントをくださる奇特な方から「カクヨムでも五百ポイントからアマゾンポイントに換金できるよ」という至極有益な情報をいただいて、恥ずかしげも無くまたこちらに舞い戻ってきた。
お久しぶりですカクヨム。元気にしてましたか?僕は相変わらずです。
タイトルにもある通り、人生で通算三枚目となる音楽アルバムを出しました。
一枚目も二枚目も大して売れるとは思わないで作った分、二枚目の在庫がアホみたいに残っている中で何故三枚目に着手したのか。
それはもう、自己満だから。
古い言葉に「三度目の正直」と言うのがあるが僕の場合だと「三度目も正直(売れない)」という方が正解かもしれない。
しかし今回のアルバムは自分でも気に入っている曲が多いし、細部までそこそこにこだわった一枚ではある。爆裂売れるなんて期待は全くしてないが、正直もう少し売れてもいいんじゃない?とは思う。具体的にいうと、あと四十五人くらいiTunes Storeでフルダウンロードして欲しい。あと四十五人です。
なぜか?
かかったコストくらいは回収したいからである。
もっと具体的にいうと約十万円くらいのお金がかかっているのでそれだけでも回収したい。
「音楽は趣味でやってんだから別に良いだろ」
と言われてしまうかもしれないが、趣味とは言えこの不況である。回収できるならあらゆる手法を駆使していきたい。
趣味と実益を兼ね備える立派な人間としてみんなから尊敬されたいという傲慢な承認欲求も多少ありつつ、二年の歳月と少ないヘソクリをヤリクリして投じた十万円を少しでも回収できる様に、さまざまな場所で宣伝をしている。
では一体、何にそこまでお金がかかったのか?
そこら辺を詳らかに、明け透けに書き綴っていけたらと思う。敢えてここでまた、まる裸になろう!と決心したのである。これでアルバムが少しでも売れてくれるならいくらでも脱ぐ所存である。
まあカクヨムにはそんな人滅多にいないと思うが、これを読んで「ああ、ちょうど私も来週あたりに曲の配信しようと思ってたから参考になるモジャー助かったモジャー」という方が一人でもいてくれれば、このエッセイも浮かばれるというものである。
最初に断っておくと、僕はかつてプロのミュージシャンを目指していた人間のなれの果てである。しかも目指していた割に基礎知識に乏しく楽器の類いは一切出来ない上に、会社を通した流通経験も皆無に等しい。ビジネスとしても三流なことをやっている自覚がある。もしも本当にビジネスとして確立させたいなら幾らでも方法はあったはずだが、初期投資するお金も無ければセンスもない。
あるのは強引さと折れない心だけ。何とかアレコレを自前で頑張った結果、商品として販売するまでには至ったので僕と同様に手持ちのカードはほとんどないけどガッツがあって自分で歌った曲を販売してみたい方は参考になるかもしれない。
書き出しておいてなんだがとんでもなくニッチな所へ向けた情報なので果たして需要があるものか。
いや、おそらくそういう意味での需要はないだろう。そんなガッツだけの馬鹿なんかそうそういない。いたら困る。
だからコレはせいぜい懲りない男を笑ってくださいというエッセイでしかない。
そう、僕はこうやって自分を笑ってもらいながら少しずつ曲が売れればいいなと思っている河原で物乞いする様な男なのだ。
そんな男の独白でよければ何かの肴に読んでいただきたい。でははじめよう。
つづく
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