Ⅳ:02 ─幼き賢者は緑を踏む─

松田はるき






 世界樹の中で生きる賢者よ、そなたは神より叡智えいちを授けられし奇跡の子だ!

 だが、まだ幼い。今日まで生きた年が、あまりにも短すぎる。


 世界樹の中で生きる賢者よ、旅に出よ! 世界を見よ! あらゆる全てのものを感じるのだ!

 汝の脚で、緑を、土を、世界を踏むがいい!

 経験は腐葉土のように力を育む糧となり、

 実感は雨水のような恵みとなり、

 そして苦難は耐性を鍛える師となり、

 汝を世界樹よりも巨大な生命に変えるであろう!


 ──「ヴォレスト・マータ・グラニアント詩集 第二集」収録

   「エリオンの賢者に捧げる詩」より引用







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