一 エクスプローダー

「頭を撃てっ!早く撃てっ!」

 俺は、渡された拳銃FN HiPerで、俺たちに群がるヒューマノイドの頭を吹き飛ばした。すぐさま、20発のマガジンが空になった。

「それでいい。エクスプローダーはいくらでもある。撃ちまくれ!」

 エルも群がるヒューマノイドの頭を吹き飛ばしている。


「何だ、こいつ?」

 頭を撃ち損ねて肩を吹き飛ばしたヒューマノイドの肩が再生しはじめた。

「頭を吹き飛ばせ!他の部位では組織が再生する!」

「わかった!」

 俺とエルは、FN HiPerでヒューマノイドの頭を吹き飛ばした。

 接近戦で銃を使うのは、なにもFN HiPerでなくてもいい。FN HiPerはライフル用の銃身とスコープ、銃床を装着し、狙撃銃に変身するが、今はそれは必要なかった。必要なのは、大量のエクスプローダー弾とそれを発射する銃と、 まともな人間・ヒューマだ。


 ヒューマノイドの波が引き下がった。見ている限り、ヒューマノイドは言葉を発していなかった。交番の前は頭を吹き飛ばされたヒューマノイドだらけだ。


「奴ら、侵略の方法を変える気だ。

 くそっ、どこかに指揮官が居るはずだが、ここからは誰が指揮しているか見えない!」

 交番には、防弾のシャッターが下ろされ、銃眼と銃撃用に開かれたシャッターの一部分から外が見えるだけだ。外を見ているエルは興奮しているが、動揺はしていなかった。


 俺の両手は銃のグリップを握って強ばったままで、腕が銃を構えたままのように固まっていた。俺は二十分ほど前を思い出した。

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