九 人工衛星発射延期
二〇二五年、十二月十二日、金曜、九時。
十一時に人工衛星を打ちあげる、と発表していた朝鮮が、整備不良から発射延期をほのめかした。
「発射延期は嘘だ。
神尾!着弾点が国家連邦内なら領海でも破壊する旨を、国家統合会議と国際社会と発射国へ通達だ!。
清洲!国家連邦内に着弾する物はすべて破壊しろ!。
その後、宣戦布告とみなす旨を、国家統合会議と朝鮮と国際社会へ通達しろ!」
帝都千代田区永田町の国家議会対策評議会評議委員長執務室で洋田評議委員長は、端末のディスプレイに現れた神尾法務大臣と、地球防衛軍総司令官の清洲地球防衛大臣にそういった。
「了解!洋田!」と神尾法務大臣と清州地球防衛大臣(地球防衛軍総司令官)
洋田評議委員長(日本国家議会対策評議会評議委員長・日本国総理)は、東南アジア・オセアニア国家連邦議会対策評議会評議委員長であり、執務室は暫定的に日本国家議会対策評議会評議委員長執務室である。
すでに、東南アジア・オセアニア国家連邦は、地球防衛軍発足時に、
「東南アジア・オセアニア国家連邦に対するあらゆる攻撃に対し、地球防衛軍は反撃して殲滅する」
と国際社会に通達している。
「リュウビン、ホワン、台湾かフィリピンに着弾するかもしれない。できるだけ細かに破壊するが、被害は覚悟してくれ」
洋田はディスプレイにむかってさらにそういった。
「こっちも防空体制を整えてある。我々に対して中国がどうでるか、見ものだね」
テイ・リュウビン台湾総督が苦笑いしている。
「中国は朝鮮を扇動して、ミサイルを何発も発射させるだろう」
バリー・ホワン・フィリピン大統領は、朝鮮が東南アジア・オセアニア国家連邦を脅して食料や燃料を手にいれようとしている。その政策を利用しているのが中国だと考えている。
「中国は、中華思想そのままに、中国を中心に世界が動いていると思ってる。中国に、国際社会が朝鮮の恫喝を鎮圧するよう、依頼するのを待っているんだ。
中国は見返りに、南シナ海の島々を領有して領海を増やしたいだけだ・・・。
過去、中国は何度も東南アジア諸国の島々を侵略した。
FRSEAON(東南アジア・オセアニア国家連邦)が成立して、これまでの政策を変更しただけだ・・・」
ホワンは南国サミットで主張したように伝えた。
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