第2話 人生妨害 霊視ができても似顔絵は描けない
鈴はタロットも水晶も持っていない、もちろんタロットや水晶を否定しているわけではない。むしろ敬愛している。
手相や数秘術も大好きだ。
ただ鈴の占いやスピリチュアルカウンセリングには必要としないのだ。
「霊視をしてもらってきたの」
『霊視?』鈴がかえす
霊が見えるという人は山ほど存在する、ネットで検索してもすごい数の霊が見えるという人達に出会える。
「私に憑いてる霊を見てもらってきたの」
憑いてる霊によって、悪い出来事が起こったのは霊の仕業だとか、未来に何が起こるか未来予知までできると豪語する人まで存在する。
「私、最近なんかツイてないの、電車は遅れてるし、行きたいお店に行ったら臨時休業だし」
たかがそんなことで憑いてる霊も悪霊呼ばわりされたらたまらないだろうに。
鈴は言う『呼春には誰が憑いてるって?』
「うん、小学校の時になくなったお父さんが憑いてるんだって」
ありがちだ。
さらに鈴は言う『似顔絵は書いてもらったの?』
「似顔絵?」私は問い返す。
『呼春のお父さんの似顔絵よ、目の前で見えてるなら似顔絵くらい描いてもらえるよね、呼春のお父さん顔のホクロが特徴的だったから、その場所くらい』
「疑ってるの?そんなこと言えないよ、営業妨害とか言われそうだし、変な呪いとかかけられたらたまらないし」
『呪いってなによ、営業妨害ってなによ、間違ってたら人生妨害じゃない、適当に怖がらせて、お金とって。知らないおっさんが取り憑いていたらどうするのよ、あんた知らないおっさんの幽霊の前でお風呂入ったり、トイレ行けるわけ、あんなことやこんなことも毎日知らないおっさん幽霊に見られてたらどうすんのよ』
「いやいや鈴ちゃん、人生妨害って。。それにしらないおっさん幽霊って。。」
『そういうのは人生妨害っていうのよ』
「けど霊魂で見えるって人もいるし、霊体は人の姿じゃないとか」
『それだったらなんとでも言えるじゃない、それぐらい私でも言える。
次からはしっかり似顔絵描いてもらいなさい。』
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