終章 ‐ 覚悟
28 〜焦訪の少女〜 SHOUHOU
教室正面の
その
五時間目の
人目に付かないように裏門からこっそり入ったところで、屋上から
今日もリサ先輩が
教室に入った時、お腹じゃなくて
右と左で式を行き来するアルファベットや数字が
ビ――――――ピピッピュ―――――ゥ!
ビ――――――ピピッピュ―――――ゥ!
ビ――――――ピピッピュ―――――ゥ!
ビ――――――ピピッピュ―――――ゥ!
ビ――――――ピピッピュ―――――ゥ!
という
日本全国利用可能者
教室、いや学校全体が
その時、校内放送用スピーカーの電源が入れられた
「お願いトモナ! 力を貸して!!」
窓の
直後、白板の上に取り付けられたスピーカーから、事前に用意されていたのであろう落ち着いた女性の声が一定のトーンで流れ出した。
『
「聞いての通りよ」
「私一人ではこの東京を出るだけで力尽きてしまう。けれどどうしても行かなければならないの。
第二種非常避難命令。
それは、とある
先週の大型魚ガエルディザイアーの時も、結果的には世界的な大災害となったが、恐らく今回現れたであろうディザイアーは、まず普通のディザイアーとは一線を
出現だけで警戒レベルをここまで引き上げられる相手だということだ。
その現場に、向かわなければならない。と彼女は言う。
以前、
それだけ、彼女自身にとっても
「分かった。ルナちゃんの為なら、もちろん全力で
言って、
「あ……」
ここは、
既に
そう考えた
「さっさと行けよ
「
隣で、
教室の前を向いたまま
「………あと、クラスメイトが死んだら葬式だ
「
「ッ……………」
ただ何も言わず、
「よっし……」
さっき警戒警報音が鳴った時、チラ、と見た魔法少女用通信端末でも、先週と同様の出動要請が出ていた。
おまけに今回は加えて、私達の先行ご指名も入っている。
いつの間にかざわつきが
「いくよ! テリヤキ!」
「
「へぶぅ!」
ズドム!!
と、どこからともなく現れた
そのまま
花の女子中学生の後頭部VS近代学校の窓ガラス!!
両手を前に出していたおかげで受け身を取れず、ダイレクトに後頭部が窓を
敗北。
一人負傷をしたのは
「く……くぅう~~~~………………。女の子に何するのテリヤキ~~」
「ふん。貴様が往々にして忠告を聞かず、
「今そんな
「重要な問題だ!」
机の上に立ち堂々と
ダメだ。
テリヤキがこうなったら、いつもの長くなるパターンだ。
この猫型魔法動物はどんな緊急な場面でも、
心の中で『ごめんなさい』とルナちゃんに謝る。
テリヤキが息を吸い込み
「このまま
窓の
「あ、そ、そうだね。そうだよテ……相棒! 今日はすぐにでも行かなきゃなんだから!」
急がば回れ、なんて言葉もあるけど、今回ばかりは回り道をしている余裕はない。
テリヤキも
「ふん! 全く口の減らぬ小娘だ。貴様は。だが、
そこで一つ間を置き、テリヤキは猫の眼光で
「ならばこそ、
「はぃ……………」
目が本気だ。これは晩ご飯を食べる時間も
お説教は諦めるしかない。
気持ちを切り替えるために、
「よし」
座り込んでいたお尻を持ち上げ、意気込みを声に出す。
「いくよ!!」
「ふんっ」
掛け声と共に、
光に混ざり合うスカートとブレザーが
光はドレスから弾け飛び体を包み込む。
燃え上がる
「まぁ、今回はまずまずの
「はいはい、ありがとー」
珍しい好評に適当に返し、おかしい所はないか確かめる。
乙女の
それを見ていたルナちゃんが一言、感想を
「よくもまぁ、こんな
「あ」
固まる
「これに関しては、私もあの魔法少女の子に同感よ。
「
今になって状況を思い出し、急に顔が熱くなり、思わず顔を隠しそうになった。
そんな
「ほら、いってらっしゃい。
「っ! うん!」
腕を振り、一息でルナちゃんの
それに対し白い衣装の魔法少女は、窓枠の支柱を掴んだまま
ルナちゃんと触れ合うような距離で
手を振って返してくれる
「それじゃあ、いってきます!!」
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