26 ~困昏の少女~ KONKON
「えぇっと、確か先生が言ってたのは……」
半透明な光の線の
映し出されている左上側、赤いスポイトのような表示マーカーが、立体な光線が
この端末の位置情報———
その線に
マップアプリケーションの案内
申し
その突き当りから少し手前、ダークブラウンのドアの横に表示されている
そこには『東京』の二文字が
「うん。ここだ。間違えようがないよね」
肩に掛けた
ピポーン、という
アナログ式の
「ごほっこほ……はい―――」
続く
「あ、えーっと……こんにちは
「ともな、せん、ぱい………?」
ほんの少し
「ち………」
「ちょっと待っててください!!」
五分くらいが
「………どうして先輩がこんな所にいるんですか」
姿を現して一番に、
「えっと……
「授業はどうしたんですか。こほ、今日はどの学年も特別な活動があるわけではないですよね」
「
「…………………」
「………」
また
出てきてから口元に手を当てたままの
「はぁ………こんな所で話していても
「あ、うん。お
部屋の奥へ進んでいく
台所と合わさった廊下を抜けて開け放たれたドアの先、
彼女が身振りで指し示すそこに、鞄を横に置いて腰を下ろす。
「まず、どうしてこの家の場所を知っているんですか」
それを説明するのには少し手間取るため、ここに来るまでの
学校の廊下で
それを聞いてから、 一階の昇降口に降りてすぐ、隣の職員室から
そして、
「はぁ…………。先輩に問い詰められた先生には同情しますが、生徒の個人情報を
「そこに疑問を
「もしかして
「こほっ、違うんですか?」
「違うよ!? 今までの地の文から見ても結構、難しいコト言ってたりするよ!?」
「
「ま、まる………?」
「………ごほん、流してくださって構いません………」
「………? うん、分かった………」
どこか落ち着かない気分になりそうだから。とりあえず出されたお水を飲みながら通された部屋を見渡す。
「この
「え?
「食い付かなくていいです」
テーブルに乗り出して
それを黒髪の後輩少女は、相変わらず容赦なく顔ごと押し返す。
この短い間に、だんだん
「えー? だって
「はぁ………っけほ、弟は私の一つ下で、
「そっか……」
「会うつもりだったんですか………」
その冷静な風に見える
「あれ?
「っ!? こっ、これは、さっき歯を磨いたばかりなのでッ!」
すごい慌てようだ。
そんなに恥ずかしかったのかな。
「そ、そんなことよりも、結局、
ぼんやりと正面に座る
「もちろんお
「はい。昨日の
「えっ、でも
「けふっ、持ってはいましたが、恥ずかしいことに身体を
「歩いてって……
「
「あ……そっか、人がいっぱい居るもんね」
「……? この時期は電車は暖房なんて
「そうなんだ……」
昨日お墓で雨に打たれた後、
けれど、家が離れている
あの時すぐには帰らずに、何か
そう考えて、今では
そこでふと
「あ、そうだ! ここに来る前にね、コンビニ寄って来たんだ」
「もしかしてその
「うっ……ま、まぁまぁ、今日はあんまり硬いことはナシだよぉ」
言って、レジ袋の中をテーブルの上に出していく。
「ちょっと待て、
「缶詰め美味しいよ!?」
「確かに味は問題ないでしょうが、論点が違います!」
「お
「そうじゃない。いつの時代の話ですか。っこほ、けほ、それ以前に猫缶はどう考えてもおかしいでしょう。
「………何でだろう?」
「私に聞かないで下さい! そもそもうちに缶切りが無かったらどうするつもりだったんですか」
「確かに」
「
喋り疲れたのか、
「あ、ごめんね。風邪引いてるのに無理させちゃって。えっと、
そう言って立ち上がり、左手にある
その手首を、目にも
その眼は、病気で
「はぁ、はぁ。あまり、げほっ、部屋を好き勝手に、はぁ……っ歩き回らないで下さい、ごほけほッッ………」
「ご、ごめん―――」
そこで、
「み、
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