23 ~墓前の少女~ BOZEN
ミヨさんのお店を出てから、
この辺りは、今の時間帯になると
夏は少しだけ
光が山の
真新しい家と時代を感じる家が立ち
道路から一段上がったそこには、
ただ施設と言っても、この時代では
いつもはついでにお水とかも替えたりお
階段を
しかし、今日は珍しく先客が
空の色に少しくすんだ
階段を上がった先で
「
「
そこに居たのは、同じ中学校の後輩の、
「なんでって……
「確かに、それはそうだけど………ってそれ
「私が
「えっと……
「報告?」
「うん。昨日、ディザイアーと戦ったから。勝ったよー、っていう報告」
「……ああ、確か、先輩は
そこでさっきの
「お母さんって、もしかして」
「うん。ここ、お母さんのお墓があるの。あ、そういえばまだ………
「…………そう、ですか」
彼女が見ていた案内板の少し先、左に折れてすぐの『忽滑谷』と
一
お花を
―――昨日も、勝ったよ。また、誰かの笑顔を
自然に閉じていた
くるぶし
「あ、それ……」
「先輩がしゃがんだ時、スカートのポケットから落ちてました」
「ありがとう。
「いえ。あのままだと
「うぅ……、確かに。………これ、小さい頃にお母さんから貰ったハンカチなんだ。だからホントにありがとね」
「そんなに大切な物なら、もっと
「あ、ははは………おっしゃる通りです」
目の前のお母さんにも、心の中で『ごめんね』と
そこで深輝ちゃんを見て思う。
「そうだ。
「
「い、いやぁ。なんとなく……えへへ」
「また
本当に、なんなんだろう。
でも、学校から遠く離れたこの場所で
思わず口元が
するとそれを見ていた
「
「……! ………そっか。お父さんが」
「はい。……半年以上前に、死にました」
死にました。
そう
それを見ていた私は、何とはなしに口を開いていた。
「お父さんのことは
「別に、好きや嫌いといった強い印象はありませんでした。ただ、
「……そうなんだ」
お父さんのことを思い出そうとしているのか、あるいはさして
「でも、お父さんの思い出があるのはいいな。
「そう……なんですか」
辺りをふわふわと散歩していた
そこで、はたと思い
「あ……ご、ゴメンね急に暗い
「いえ、気にはしていないので―――」
鼻の頭が、冷たい。
風の音かと思っていた空気を
「あ――――――!」
校門を出て別れた時の、小鞠ちゃんの声が
———そうだ。今日は夕方から天気が崩れるみたいだから、早めに帰りなさいよ―――
さっき
「………この
「
「
「傘を持ってるなら
そう言って、お母さんのお墓に
「それじゃ、
入口の石段の階段を
道路
恥ずかしさを
そして再び走り出して、
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