海の中で揺蕩う
海の中で揺蕩うぼくはくらげか
揺蕩っている
揺蕩っている
海の中は暗いし怖い
下を向けば闇夜よりも苦楽
上を仰げば果てに神が降りる
上にも行かず下にも行かず
狭間を揺蕩うぼくはくらげか
探していた景色はなく
探していた覚えもなく
なにを探していたのかは分からず
なにを探していたのか
なにを探していたのか
篝火を焚けど海の中じゃなにも見えず
火は水に押し潰されるか
心の中に篝火を焚けば
少しだけの愛は守れるな
暗闇とも言えぬ広き狭間で底とも取れる広き狭間で
揺蕩っている
揺蕩っている
ぼくはくらげではない
だから苦しい
何故このような海底にと困惑している
何故このような絶望にと絶叫している
くらげは快楽を覚えているだろうか
美しく狭間を揺蕩うくらげ
なんとも穏やかに揺蕩い
外的から守る術を持ちながら優雅に
揺蕩っている
揺蕩っている
あの あのくらげに
あのくらげにこそなりたいと渇望する
あの あのくらげこそ神だと崇拝する
ぼくは今揺蕩っている
快楽を目指して
なればこそ、ぼくはあのくらげになろう
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