第3話

彼と暮らし始めてから2年が経ったある日の事。


湿度が高いのか、今日はやけに喉が渇く。


僕は彼の背中を眺めるのが好きだ。普段衣服を着ていても、僕より少し広い肩幅が目立つ。

その晩、本を読んでいる彼の背中に寄りかかり、頭を肩に乗せて人差し指でなぞる様に首筋から肩甲骨、腰まわりや背筋を触れていった。


ジュート「うん…」


それに反応したのか、彼が振り返り僕の顔をじっと見つめてきて、ひと言言い放った。


ジュート「くすぐったい」


彼は立ち上がり、隣の寝室へと入って行った。


折角良い雰囲気になったのかと思いきや的外れな返答が来て、項垂うなだれた。

もう少し構ってほしいと思い、数センチ開いている襖の奥に居る彼の姿を見ていた。

彼は上半身の服を脱ぎ、肌着を着替えようとしていた。

彼の裸を分かっているのに、時々部屋の灯りの下で照らされるその肌を見ると、僕は指を咥えながら眺める癖が出てしまう。


背筋から流れている数滴の汗。

程良い肉付きの良い体格。

普段から身体を鍛えているから、部分的な引き締まりもあって見惚れてしまう。

気づけば僕は悶えてしまいそうで…いや、既に悶えている。

これは所謂いわゆる生理的周期なものだろうか。

すると、彼は此方を見て、襖を開けてまたもや僕の顔に近づいてきたので、怒られてしまうのかと思っていたら、頭を撫でてきた。


ジュート「したいなら、口に出して言って良いのに」

ナツト「覗いてごめん。なんか…見たくなって」

ジュート「今日は布団は1つだけ敷こう」

ナツト「良いの?」

ジュート「あぁ。押し入れ、開けるぞ」


布団を敷いて、照明を消した。


ジュート「こっち来いよ」

ナツト「うん」

ジュート「今日どっちからする?」

ナツト「任せても…良いです。」


彼はクスクスと笑った。

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