第25話 さあ、ラストへ!あの人の、最後のライブ会場にいってきました…!そうして、元JKの私が決断したこととは、何だったと思いますか?

 リアコなアイドルの、世界は…。

 痛い。

 実は、とっても、痛いのだ。

 「聞いた?」

 「うん」

 「病室、いってみる?」

 「マジで?」

 「いったほうが、良くない?」

 「何で?」

 「女子力、アップしそうだから」

 「それな!」

 「ああ、かわいそ」

 「入院しちゃったんだものね?」

 「ご愁傷様」

 「芸能界の競争から、降りてくれたっていうこと、だよね?」

 「あんたも、言うねえ」

 「ラッキー!」

 「ふふ」

 「ほら。そっちだって、そう、思っているくせに!」

 「私、大人なレディー、ですから」

 友達と思っていた人たちに、心折れるうわさを流され続けた、その、白血病で苦しんだアイドルは…。こう、言ったそうだ。

 「私、大きな勉強を、させられた。判断の反省を、させられた。私は、私なりに、友達関係を大事にしてきたつもりだった。でも、それは、つもりでしかなかった」

 友達って、何?

 「私、決めた!」

 あの芸能事務所に、メールを送った。

 「リュウザキレイカと、申します」

 もう、良いんだ。

 決めた、ことなんだから。

 私が、決めたことなんだ!

 「リュウザキレイカ、です。以前は、再審査したいとのお言葉をいただき、ありがとうございました。ですが、辞退いたしたく思います。大人扱いされる女性として、しっかりと、考え抜いた結果です。再審査には、向かいません。本当に、申し訳ありません」

 翌日、返事がきた。

「わかりました。残念です。レイカさんには、レイカさんのできることを、一生懸命にやってみてください。でも、お願いがあります。どうか、他の事務所には、いかないでください」

 …。

 そっか。

 他の事務所には、いかないで、か。こういうのが、社交辞令っていうやつ、なのか…?

 それから、1週間ほどして…。

あの事務所が、警察に、捕まった。

 理由は…。

 「鮎の、密売」

 何だ、そりゃ。

 モモカさんの、最後のライブ会場は、大賑わい。

 「何で、お母さんまで、一緒にきちゃうわけ?」

 「だって、チケットは、2枚あったんでしょ?」

 「私、違う人と、きたかったのに!」

 「あら?他に、あなたと、一緒にきてくれる人がいたわけ?」

 「ぐぬぬぬぬ…」






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