レイカでリアコなアイドルオーディション[後編]~結末のリアルを、どう、考える?本物のアイドルって、何だろう?~

@maetaka

第1話 アイドルの、逆転人生。「社会には、こうやって、女の子をスカウトする大人がいる」母親は、そう言いますが?私は、聞く耳を、持てません。

 何と、何と!

 アイドルを目指すJKに、こんな逆転が、待っていたなんて!

 「コトン…」

 玄関のポストを、開けた。

 何?

 あの、芸能事務所から。

 何?

 「以前は、オーディションにお越しいただき、ありがとうございました。レイカさんにおかれましては、お変わりなく…」

 もう…。

 そういうの、良いから…。

 「審査員の先生たちで、話し合ったのですが…」

 うわ。

 「我々は、もう少し、レイカさんを見たいと、考えております」

 まじ?

 「最後まで、審査員の間で、意見が分かれたのですが…。個性的で面白い人も、事務所で面倒を見て、アイドルにしていこうという意見に落ち着きました」

 また、事務所にきてほしいとのこと。

 「私は、個性的?アユの、力かな?」

 続きが、あった。

 「アユになりたいというあなたの発言、おかしかったですね。私の田舎は、鮎専門の漁師の家柄でしてね…。あなたは、オーディションの日の朝食に、鮎の塩焼きを食べてきたとまで言いました。面白く、可能性のある子だと、思われます」

 …やば。

 私、そんなことまで、言っちゃっていたんだな。

 「あなたが鮎になってしまうのも困りますが、あなたが、アユのように成長してくれることは、我が事務所といたしましても、願うところです」

 …え!

 「レイカさんには、ぜひとも、我が事務所で、大きなアイドルになってもらいたいものです」

 …え、え?

 「こられますか?お忙しいのは、承知の上です」

 忙しくない!

 忙しくないよ!

 高校…、中退しちゃったし…。

 いく、いく!

 私、いきます!

 「お会いできるのなら、この日は、いかがですか?○月○日…」

 本当に?

 「レイカ、マジ?」

 「やったね!」

 「うん」

 「私たちの応援の、おかげだね?」

 「友達パワー」

 「いや…。それは、どうかと」

 友達の次に、母親にも連絡。

 「…良かったね、レイカ!」

 「うん!」

 「…でも、お母さん、心配」

 「何が?」

 「社会には、こういう回りくどいようなやり方で、女の子を信用させてスカウトする悪い大人だって、いるんだからね?」

 そんなことを言われても、うわの空で、聞く耳を、持てません。



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