第035食 まずは基準を:日乃屋・神田西口店(D09)
神田カレー街スタンプラリーには、カレー・チェーン店も参加しており、例えばそれは、大阪拠点の「上等カレー」で、東京都内の秋葉原店と神田小川町店がイヴェントに出店している。
ということは、当然の発想として、東京拠点のチェーン店もまた、このイヴェントに参加しているのでは? という疑問を抱く。
西の雄が「上等カレー」ならば、東の雄は「日乃屋カレー」で、千代田区には十店舗の日乃屋カレーがあるのだが、そのうち、御茶ノ水店、神田店、神田西口店、九段下店の四店が、このイヴェントに参加している。
日乃屋カレーは、店頭や冊子において紹介されているように、「始まり甘く あとより辛い 余韻残りし カレールウ」を特徴としていて、この、最初あまく後から辛い、というのは、西の上等カレーと似通っているように思われる。
その日乃屋カレーの本店は湯島にあり、湯島は秋葉原に隣接しているのだが、区としては文京区に位置している。それ故なのか、千代田区の催しであるこのイヴェントには、本店は参加しておらず、件の千代田区内の四店舗が、本店の名代としてイヴェントに参加しているのかもしれない。
ちなみに、チェーン店というと、全国どこのお店に行っても、同じ味の同じメニューの品を楽しむことができる、という安心感が、その魅力の一つであるのは確かなのだが、しかし、何処でも同じ味ならば、こうしたカレー・イヴェントに数店参加しているのは何故なのか、と思わなくもない。しかし、ここで注意したいのは、上等カレーも、日乃屋カレーも、同じメニューを提供することに甘んじている、単なる甘くて辛いだけのカレーではないそうだ。
各店舗は、本店オリジナルの味を継承しつつも、それぞれ独自の色を出しているらしい。
書き手は、今回のカレー・イヴェントにおいて、日乃屋カレーを訪れたのが、神田西口店が一件目だったので、どういった点が他店舗との違いなのか、この時点では分かるべくもない。
そこで、まずは、日乃屋カレーの基準とするために、極めてスタンダードな日乃屋カレーのメニューである、人気ナンバー2の「名大メンチカツカレー」を注文することにしたのであった。
この味を、しっかりと舌に記憶させ、他店舗に行った際に、店舗ごとの差異と特徴を詳らかにしたい、と考える書き手であった。
〈訪問データ〉
日乃屋カレー・神田西口:神田・南口
D09
九月五日・月曜日・十九時半
名代上メンチカレー:八九〇円(QR)
〈参考資料〉
「日乃屋カレー」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、六十八~六十九ページ。
「上等カレー」、『同掲書』、六十一ページ。
〈WEB〉
『日乃屋カレー』、二〇二二年十一月三日閲覧。
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