ストーリー3:壊恐 滅
チャプター1
ここは、キエーレビルの七階である。
滅は、自分の過去を思い出していた。
「ここは、何処だ? どうやら、マグマの中らしいな。おっ、私だ。」
滅は、マグマの中で誕生した。
見た目は、まるで、人間の赤ん坊と同じだ。
「グオーッ。」
滅は、ハイハイ歩きで、火口をよじ登って、山の山頂へ辿り着いた。
チャプター2
そこには、調査員が居た。
「おーい。こんな場所に、赤ん坊が居るぞ。でも、何で?」
「変ね。誰の子供なのかな?」
「そんな訳ないだろうって、居るけど?」
「どう考えても、おかしいよ。」
「考えていてもしょうがない。」
「連れて行けって事だな。」
チャプター3
そこへ、偶がやって来た。
「そいつを連れて行くな。」
「どういう意味?」
「そいつは、人間ではない。」
「何だって?」
「クククッ。何者だが知らんが、この私が幻衝怪である事を見破るとはな。」
滅は、一瞬で大人に変化した。
チャプター4
「赤ん坊から、いきなり、おっさんに。」
「こざかしい奴らよ。はーっ。」
滅は、幻衝力を放って、調査員達を吹き飛ばして気絶させた。
「お前を倒して進ぜよう。」
「ふっ。お前一人で、何が出来る?」
「アークランサー。いくぞ、幻衝怪。」
偶は、アークランサーを構えた。
「フハハハーッ。消えるが良い。邪幻衝。」
滅は、邪気を想像して術を放った。
「はーっ。おりゃーっ。」
偶は、強行突破して、滅を斬り裂いた。
「ウワーッ。くっ。この傷、忘れぬぞ。」
滅は、消えるように去って行った。
チャプター5
滅は、目を覚ました。
「この腹の傷さえ無ければ。」
そこへ、レイドがやって来た。
「滅様。今回は、このレイドにお任せを。」
「偶を倒して来い。ピンチになったら、私を呼べ。」
「了解。仰せのままに。」
レイドは、街の中へ向かった。
チャプター6
ここは、教室である。
俺は、眠っていた。
「激。外で、サッカーか野球。」
「何だ、明一か。悪いな。」
「何で、いつも眠っとるんや?」
「自分でも理解らないけどな。ふああーっ。」
「おかしな奴やな。ま、良えわ。またな。」
明一は、走りながら出て行った。
そこへ、美佐がやって来た。
「激。いつも眠っているけど、何で、そんなに眠いの?」
「聞くな。もう少し、眠ってくれる。」
チャプター7
その時、美佐が俺を投げ飛ばした。
「これで、どうかしら?」
俺は、壁に激突していた。
「あ、あのな。力、入れ過ぎだぞ。何処で、こんな技を?」
「師匠に教えてもらったのよ。」
「どうりで強い訳だ。」
「だが、俺の、ウワーッ。」
俺をじろりと見ていたのは、天衣と烈香であった。
「激。おいしそう。」
「うん。寝顔がたまんない。」
「あ、あのな、何を考えているんだ?」
「恥ずかしくて言えない。」
「喰っちゃおう。フフフッ。」
「逃げるしかない。じゃあな。」
「あーっ。また、逃げられた。」
俺は、全力疾走して逃げ出した。
チャプター8
ここは、街の中である。
レイドは、十体ものテンに街を破壊させていた。
「キエーッ。」
「ウワーッ。キャーッ。」
「へへへっ。テンども、もっと派手にやれ。楽しめ。」
チャプター9
そこへ、偶がやって来た。
「レイド。そこまでだ。」
「また、あんたか。まあ、良い。出でよ、狂骨。」
レイドは、幻衝怪「狂骨」を召喚した。
「お任せ下さい。ケケケッ。」
「十二対一か。アークストレート。」
偶は、アークランサーから幻衝力を放って、レイド達に命中させた。
「キエーッ。」
「ウワーッ。レイド様。ここは、私が。」
「な、何を言っている? 弱気になるな。」
「巨大化をお願い致します。」
「理解った。はーっ。巨幻衝。」
レイドは、狂骨を巨大化させた。
「グオーッ。」
チャプター10
「また、巨大化か。召幻衝。」
「させるか。炎幻衝。」
レイドは、炎を想像して術を放った。
「ウワーッ。くっ。斬幻衝。アークリヴァイディング。おりゃーっ。」
偶は、レイドを一刀両断した。
「ギャーッ。滅様をあまく見るな。御出で下さい。我らが首領、壊恐 滅。」
レイドは、滅を召喚した後、爆発して消え去った。
チャプター11
「レイドが敗れるとは。クククッ。狂骨よ。街を石化して来い。」
「容易い事です。石幻衝。」
狂骨は、杖から幻衝力を放った。
「街中を石に変えてくれる。」
「滅。そんな事をしたら、お前まで砕け散ってしまうぞ?」
「構わぬ。全てを滅ぼすのが、私の作戦。」
「させるか。アークランサー。」
偶は、アークランサーを構えた。
「貴様の槍一本で、私に勝てるとでも思っているのか?」
「勝ってみせる。幻衝力を全て使ってでも、お前を倒す。」
偶と滅は、対決し始めた。
チャプター12
そこへ、俺が通り掛かった。
「そいつが激か。クククッ。」
「滅。何を企んでいる?」
「激の幻衝力と気と魔力を頂く。」
「激。早く、この場から立ち去れ。」
「理解りました。それじゃ。」
チャプター13
滅は、俺の目の前に立ちはだかった。
「月虹 激君。初めまして。力を見せてもらおう。吸幻衝。」
滅が、俺の幻衝力と気と魔力を吸い取ろうとしたその時、俺の力が暴走して、
辺り一面をクレーター状にした。
「ウワーッ。何という力だ? このままでは、私自身の方が消滅してしまう。」
「何だ、この波動は? ギャーッ。」
狂骨は、爆発して消え去った。
「激の力の暴走を止めなければ。閉幻衝。」
偶は絵の力の暴走を止めた。
俺は、気絶して倒れた。
チャプター14
「くっ。これ程までの力を持っていたとは。フハハハーッ。」
「滅。お前を封印する。アークランサー。双幻衝。」
偶は、アークランサーを二つにして、両手に持って構えた。
「斬幻衝。アークカリバー。」
偶は、滅を✖の字に斬り裂いた。
「ヌオワーッ。くっ。クククッ。私は、滅びぬ。ここで敗れる訳には、いかぬ。」
偶は、封印の幻衝術を唱え始めた。
「我、秩序の波動によりて、今、この破壊の波動をこの世界から吹き飛ばし、全ての幻衝力を
解放せん。封幻衝。アーククローズインフェルノ。」
「ギャーッ。いつか、必ず、復活してくれる。私のこの幻衝力を使ってでもな。」
偶は、滅を異次元の何処かへ封印した。
「やっと終わったな。これで、幻衝怪は、しばらくは、現れないだろう。」
偶は、去って行った。
チャプター15
俺は、気が付いた。
「痛てーっ。それにしても、随分、凄いクレーターだな。一体、何が起きたんだ?」
俺は、しっくりとこないまま、帰宅した。
チャプター16
ここは、学校の屋上である。
俺は、そこで、腕立て伏せをしていた。
そこへ、一人の男がやって来た。
「激で良いのか?」
「お前は、誰だ?」
「雷 鳴改。雷って、呼んでくれ。」
「よろしくな、雷。」
俺達は、握手を交わした。
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