第99話いしま行く 水の白波 立ち帰り

題知らず

よみびとしらず


いしま行く 水の白波 立ち帰り かくこそは見め あかずもあるかな

                         (恋歌四682)


(岩間を流れる水に白波が立っては戻り続けるように)何度でも、貴方にお逢いしたいと思うのです。(今のような時折では)とても、恋の思いが満ち足りることはないので。


なかなか、逢える距離に男女がいないのか。

あるいは障害があって常には逢えないのか。

逢えてうれしいけれど、次の逢瀬の時が、全く不明らしい。

そんな切実な思いを訴える歌である。

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