第96話いそのかみ ふるのなか道 なかなかに

題知らず

紀貫之


いそのかみ ふるのなか道 なかなかに 見ずばこひしと 思はましやは

                          (恋歌四679)

※いそのかみ ふるのなか道:「いそのかみ」石の上。ふるにかかる枕詞。

奈良県天理市石上。石上神宮がある。ふるは、石上の内にある。「中道」はその地にある道。

※なかなかに:中途半端に。安易な気持ちで。


(石上の布留へ向かう道の途中にある中道と同じで)なまなかに(安易な気持ちで)関係を結ぶことがなかったのであれば、これほどまでに恋しいとは思わなかったのに。


中途半端な気持ちで、逢瀬をしたことにより、その後逢瀬が頓挫し、罰が下ったとでも詠むのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る