第68話こひしなば たが名はたたじ 世の中の
題知らず
ふかやぶ
こひしなば たが名はたたじ 世の中の つねなき物と いひはやすとも
(恋歌二603)
私が恋死にしたとして、貴方の名前が世間の噂にはならないでしょう。
私の死が、世の無常として、話題になったとしても。
様々な解釈がある歌である。
「私の恋死にによって」、「貴方の名前が、立たないわけがない」、「貴方の名前が立つわけが無い」に分かれている。
ただ、「自分の恋死に」という悲観を詠むにあたり、「貴方の名前が立つ:世間の噂になる」を突きつけるだろうか、それなら恨み歌になってしまう。
それを考えて、「貴方の名前が立つわけが無い」説をとった。
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