第16話君しのぶ 草にやつるる ふるさとは

君しのぶ 草にやつるる ふるさとは 松虫のねぞ かなしかりける

                         (秋歌上200)

※君:しのぶに掛かる。

※しのぶ草:古い樹の皮や枝の間に生じて、一根に叢生し、葉は長さ四五寸位の甚だ厚いもので、深緑色、背に金星がある。冬を経ても枯れない草。俗に八目蘭。(古今和歌集評釈より)

※ふるさと:かえりみられることのなくなった里。里には家の意味も含む。


貴方をしのぶと言われているしのぶ草が生え過ぎて、みすぼらしくなってしまった、この古びた里(家)では、(貴方を待つと言われる)松虫の鳴き声が、とりわけ悲しく聞こえてくるのです。


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