第6話気まずい再会
海原による強引な誘いから二日が経った日、友人との再会に自宅付近のファミレスに赴いていた。
ファミレスに入店すると約束していた人物が片手を挙げているのを瞳が捉え、近づいていく。
「久しぶりぃ〜透杞。お疲れさん、さあさあ座って座って」
「ほんと、久しぶりだね彩乃。ありがとう、っしょっと」
「オバさんみたいに座んないでよ。もうー……」
おばさん、と聞いて渋面を作りため息を吐く。
「おばさんじゃないって、まだ……そんなことより、いきなり会いたいって何なの?」
否定してから本題に入る私。
「まあまあ、そんな慌てなさんな。透杞、職場に素敵な相手とかいないの?」
「い、いないよ……そんなひとなんて。付き合う暇なんて私になんてないよ……残業ばっかなんだから」
「ええーそうー……モテるんじゃないの、可愛いんだし透杞はさぁ〜?」
「可愛くないって、ほんと……彩乃こそどうなの?交際とかしてんじゃないの、彩乃?」
「ナイナイ。透杞に居ないんじゃ、いるわけないでしょ交際相手なんて……」
由奈が、と漏らし片手で口を覆った彼女。
「や、やめてよ……出さないようにって、約束したじゃん」
反射的に言葉が鋭くなってしまう。
「ご、ごめん透杞……でもさ、その……」
「やめて、ほんと……彩乃、お願い……」
声はか細く掠れていた。いつのまにか身体が小刻みに震えていた。
気まずい空気が漂いだす。
俯く彼女を見れなくなった。
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