〜鎌倉時代に転生したので歴史の調停者になります〜

サファイア

第1話  〜平安時代末期に転生しました〜

「そこは義経でしょ〜」


「いやいや義仲だろ〜」

私は華葉 綾目はなば あやめ。歴史研究クラブの部員。

中学2年生。

ただいま友人と自作の「鎌倉戦いの巻」というカードゲームをしている。

キーンコーンカーンコーン。

「あっと、下校時刻だ。」

さっさと片付けて、家へ歩く。

ブルゥゥゥゥン。

え?

後ろを向いた時には遅かった。

バァーーーン!

           * * *

あれ・・・?死んだと思ったんだけど・・・。

目を開けると、空が見えた。

どこも痛くない。

森の中だ。

少し歩くと、家が見えた。しかし、昔の家みたいだ。

前見学に行った、百姓家にそっくりだった。

人がいたので、思い切って声をかけた。


「ぁ、あのぅ〜。」


「なんじゃい、お前さん見ない顔だなぁ。服だって変だ。」


え?


「え、え?今っていつどこですか?」


「一一七九年の正月に決まっとるだろ!」


え?

室町時代末期じゃん・・・転生した?

「最近は以仁王もちひとおうも切られたっていうし・・

 物騒な世になったもんだ。」

え、だめじゃん。源平合戦起きないじゃん、、

「で、お前さんは何者なんだ?」


「あ、えっと・・・・いえ、とくに。」

そういって、森に向かって走り出した。

よく見てみると、片手に何か巻物のようなものを持っているではないか。

ひらくと、こう書いてあった。

『そなたは歴史の調停者なり。

1.名古屋へゆき、武器を整えよ。

2.蛭ヶ小島ひるがこじまへゆき、源平合戦を起こせ。』

あとは全部空白。

そして、背中のバッグいっぱいに、小判。

状況はよく分からなかった。歴史の調停者になれ?

とにかくコレに従うしか方法はなさそうだったので、名古屋へ行・・・きたいのだが、ここがどこだか分からない。

さっきとは180度逆方向に向かって少し歩くと、

すぐに町に着いた。

町人さんにここはどこか聞いてみると、なんと名古屋だった。

よ〜し、歴史の調停者として、頑張るぞ〜!

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