■menu20:「夫の誓い」

最初に申し上げます。

御不快でしたら、即座に削除願います。


※※※※※※※※※※※※※※※


御許しが出たようなので・・・。


2022/12/9「冬のおかず【玉ねぎ、にんじん】 ほほ肉のシチュー」より

本文も読んでね。


※※※※※※※※※※※※※※※


「ほほ肉やから・・・」

母ちゃん、嫌そうだったよなぁ。


「肉は一つでええわ・・・」

母ちゃん、確かに、そう言ったよなぁ。


「・・・」

母ちゃん、美味そうに食べてたなぁ。


えっ・・・?


俺も凄く、シチューが美味くて。

奇麗に皿を空にしたんだけど。


母ちゃん・・・。


※※※※※※※※※※※※※※※


「う、う~ん・・・」

「あ、あなたっ・・・ど、どうしたのっ?」


私の声で夫は目を覚ました。


「凄い、汗・・・大丈夫?」

「だ、大丈夫・・・」


どうやら。

夢をみていたらしい。


心配そうに見つめる私に、夫はフッと口元を綻ばせた。


「大丈夫・・・何でもないよ」

そう言って、背中を向けると直ぐに寝息が聞こえた。


「そう、良かった・・・」

私も安心して眠りに入った。


しばらくして・・・。


暗闇の中。

静かに目蓋を開けた夫が。


静かに呟いた。


やっぱり。

最後の肉は・・・。


母ちゃんが食べ終わった後に。

確かめてから、食べよう。


そう・・・。

夫は誓うのであった。


※※※※※※※※※※※※※※※


旦那様・・・。

ごめんなしゃい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る