小柄なボクっ娘先輩は、陰キャの僕と付き合っている件
イズミント
プロローグ
1 プロローグ~僕の彼女はボクっ娘先輩~
「ゆーくん、一緒に食べようじゃないか」
「チャイムが鳴ったばかりなのに早いっすね、冬先輩」
「ふふふ、それはボクによるキミへの愛の力さ!」
「ストレートに言わないで下さいよ」
僕は
僕が通ってる高校は私立なのだが、私立の中では一年間の学費が安い方だし、両親も共働きだがお互いの収入はいい方なのでお金に関しては問題はない。
ただ、入学直後から陽キャグループによるスクールカーストが形成され、僕のようなゲームや漫画やアニメ等が趣味の者を【陰キャ】と見下し、カースト底辺とみなされた。
そのため、僕や他の底辺扱いされたクラスメイトと細々と学校生活を送っていたのだが、とある一学年上の女子生徒が僕に声を掛けてきた事で僕の学校生活は一変したんだ。
その一学年上の女子生徒が、今僕にお昼に誘いに来た
茶髪のセミロング、ブレザーの上に萌え袖になる程の大きい白衣を着用した小柄な先輩は、ここ【私立清光学園】における【清光の十女神】の一人でもある。
そんな彼女が昼休みに入ったと同時にわざわざ僕の分の弁当を持って来てくれた。
それは嬉しいが……。
「四季原さん、あんな陰キャより俺達と一緒に食べましょう!」
「そうだ、そうだ!」
「十女神の一人が陰キャなんかと付き合ったらいけないんだ!」
やはりというか、なんと言うか。
カースト上位の陽キャグループが冬先輩を囲いだした。
僕との昼食を阻止する気だ。
僕が陰キャだから、付き合ったらいけないと言いくるめて。
しかし、冬先輩は怯むどころか威圧感を込めて陽キャグループにこう言いはなったのだ。
「ボクはお前らじゃなく、ゆーくん……優真君に用があるんだよ。 邪魔しないでもらえるかなぁ」
「うぐ、だ、だがあいつは底辺で陰キャ……」
「お前らが勝手にそうしてるんだろうが。 この学園はスクールカーストは厳禁だよ? それを知らずに勝手にスクールカーストを作ってさぁ。 あ、都合の悪い流れだから自分ルールを作ってバリアにしたのかぁ」
「相変わらずな連中だねぇ。 私たち二学年と三学年の先輩達は冬ちゃんと優真くんの恋を応援してるってのにね。 学園長からも怒られた筈なのにね」
冬先輩の背後から別の先輩の女子生徒が出てきて陽キャグループを黙らせた。
実はこの学校ではスクールカーストを作るのを禁止されているのだ。
陽キャグループはそれを知らないか、知っててなおそれが不快だからか、勝手にスクールカーストを作ったようで、何度も学園長に怒られており、停学処分を食らったのに、未だにスクールカーストに固執しているあたり、自分たちが支配しないと気が済まない性格だろう。
「何度も言ってるけど、そもそもお前らの基準だったら、ボクも陰キャなんだよなぁ。 ゲームや漫画とかが趣味だから」
「というわけで、学園長にリアルタイムで報告したからまた呼び出しを食らうね」
「な……!?」
『一年C組の……』
「さ、時間が勿体ないから早く屋上にいこうじゃないか、ゆーくん」
「そうですね」
「いってら~。 後は私に任せて、青春を満喫してね」
学習しない陽キャグループの呼び出し放送が流れ、呆然とするのを尻目に僕と冬先輩は、別の先輩から背中を押される形で、一緒に屋上に向かう。
さて、長くなったけど何故僕が冬先輩と付き合う事になったのか。
何故、冬先輩は僕の事を一目惚れしたのか。
それを話すには、今から三ヶ月前の入学後から話しておく必要がある。
なので、少し昔話に付き合って貰おうかな。
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