第31話 『一蓮托生』から『一蓮托生~蓮華の下で結ばれて~』への変更点

 次回予告とは違うが、『一蓮托生』から『一蓮托生~蓮華の下で結ばれて~』を執筆する際に変更した部分についてまとめておきたい。

 まず、主人公かつらの一人称を「私」から「わたし」に変更した。相手役の隆の一人称も「私」なので、台詞を見たときにどちらが喋っているか分かりにくいと思ったのと、他の女性キャラとの区別を付けたかったからだ。文字数稼ぎになるというのもあったが、加筆量が問題ないくらい多かったので些細なことだった。


 次に川の名前を「墨田川」から現在使われている「隅田川」に変更した。確かに表記が「隅田川」に決まったのは昭和40年代だが、終戦後の被災地図でも「隅田川」が使われており、同じ表記でも問題ないだろうと判断したためである。なお、「墨田川」の表記が昔使われていたことは確かだが、現在の墨田区が誕生したのは1947年3月である。「墨田」の表記は「墨田ホープ」の名前に残させてもらった。


 後はカクヨム内での皆様のアドバイス、コメントを読んで全体的に手直しした点がいくつかある。

 作中の数字を「B29」等、名詞で直せない物を除いて基本漢数字に統一した。

 「カップル」という表記を使っていたが、時代に即した「アベック」という表記に改めた。「墨田ホープ」のアベック席が出てくる前に変更できて助かった。

 本作は三人称一元視点を心がけて書かれた作品だが、本文中で視点のブレがある部分の見直し、視点変更がある場面を段落分けして分かりやすく表示した。

 当時使われていた生活用品や制度についても台詞などで代用する部分を増やし、地の文での説明を減らすよう心がけた。

 征一が読む手塚治虫の漫画『新寶島しんたからじま』のタイトルを旧字体に統一させた。新字体に変わるのは昭和20年代中頃という情報を得たためである。

 壊された横澤家に来た隆の動きや、隆と廣本の対決等、『一蓮托生』から見直したシーンもいくつかある。『一蓮托生』では「ヒロポンの闇」だったタイトルを「私は生きたい」に直したのも、隆と廣本の対決にスポットを当てたかったからである。


 現在『一蓮托生~蓮華の下で結ばれて~』は「第9回カクヨムWeb小説コンテスト」に応募中だが、受賞できなかったら次回の電撃大賞に応募しようと考えている。カクヨムからでも応募できるが、読者選考があること、800字以内の公募用の梗概を付けなくてはいけないという条件がある。

 以前カクヨムに梗概様式であらすじを上げていたところ、読者からネタバレを見てしまうと本文を読みにくいと言われたことがあり、悩んでいる。カクヨムから電撃大賞に応募していた人はどうしていたのか、気になるところだ。

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