第11話 『一蓮托生』シリーズのルーツ

 そもそも私は何故横澤家の物語をシリーズにしようとしたのか。今日たまたまネットでフランスの作家「エミール・ゾラ」の名前を見て思い出した。

 私の実家には母親が若い頃購入した世界文学全集があり、中学時代に引っ越した後は私の部屋に置かれたので片っ端から読破していった。その中にエミール・ゾラの『居酒屋』『ナナ』があったのだ。

 『居酒屋』『ナナ』は「ルーゴン・マッカール家」の一族を描いた『ルーゴン=マッカール叢書』と冠されたシリーズの作品で、ゾラの克明な筆致によって描かれる貧民の暮らしは大いに印象に残っている。

 巻末の解説で『ルーゴン=マッカール叢書』には『居酒屋』の主人公、ジェルヴェーズの息子を主人公にした『ジェルミナール』という作品があると書いてあり興味を持ったが未だに読んでいない。ちなみにジェルヴェーズの娘を主人公にしたのが『ナナ』である。

 ともかく、私が横澤家の人々を私の別作品と繋げ、家系図を作って子孫へと続くシリーズを作ろうと思い立ったのはこの『ルーゴン=マッカール叢書』の影響であるのは間違いない。


 幼い頃から海外の児童文学に親しみ、世界文学全集を読んでいたことは私の現在の文体にも影響を与えていると思われるが、さすがにそこまで解析したことはない。

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