第9話 「高橋蘇芳」の名前変更について

 「3.京極きょうごく家の家系譜について」でも触れたが、『一蓮托生いちれんたくしょう』で登場したカイこと高橋たかはし海桐かいどうの息子を『令和4年、おじいさんの贈り物』に登場させるにあたり、「蘇芳すおう」という名前をつけた。「海桐」というのは和名「とべら」という樹木で、先に設定されていた妹のリュウこと高橋柳子りゅうこに合わせたのだ。

 そこで海桐の息子にも樹木にちなんだ名前を付けたいと思い、染料に使う樹木から「蘇芳」を考えた。人名用漢字であることは調べてから名付けたが、今日思い立って調べてみたところ、「蘇」という漢字は2004年に人名用漢字に追加されたことが判明した。これでは1957年生まれの子どもには使えない。というわけで、新たな名前を考えることとなった。

 「おう」という読みでまず浮かぶ樹木は「桜」だが、『一蓮托生』シリーズではすでに戸祭とまつり征一せいいちの妻「櫻子さくらこ」として使っている上に、後に娘の椿つばきと結婚するので義母の名前と被るのは非常にまずいことになる。そうなると名前を全く変えるか、別の字を使うかの二択だが、「スオウ」の読みを残すことに決めた。ネットで検索して同姓同名の有名人がいないことを確認し、常用漢字を使った「周央」に変更した。「『一蓮托生』シリーズの覚書」『令和4年、おじいさんの贈り物』の該当部分を修正するという作業は大変だが、早めに気づいて良かったと思うしかない。

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