第45話

 はんぶんじよくれいの司法取引によりせんめいたる自我同一性データの再構築はまぬかれたものの『百億の世界のりよ』や『天国の存在』にかんれんする一部人生ログをだつされてしまったあなたはいんの司法取引で情状酌量されたうえで保釈され『百億の世界のりよ』も『天国の存在』の記憶も『方戀の恋人のでんしてくれた言葉』も忘却して元通りにいんもうの中央電脳危機管理委員会のシステムエンジニアとしてじんぜんたる日常に回帰するはずであったがこうえんとしてぬえてきなる中央電脳危機管理委員会より『第一級機密文書一〇五号』のファイアーウォール構築といんのファイアーウォールの定期的アップデートというこうまいなる高位エンジニアとしてひんしつされてろうかいなる中央電脳危機管理委員会の墨守する謎語めいた『第一級機密文書一〇五号』をぼうぎよすることとなったのだがそもそも『第一級機密文書一〇五号』の内容はあなたみずからが体験した『百億の世界のりよ』や『天国の存在』を証明するログや『方戀の恋人とのたまゆらおう』の記憶などであって『もっとも危険なる情報をもっとも危険なる人物にぼうぎよさせるはずはない』とおくそくさせるがために意図的にあなたに管理を嘱託したのであったうえにあなたみずからがしやはんの記憶をじんかいめつせしめられていたことから『第一級機密文書一〇五号』の内容そのものに興味はなかったのだがようなる事態を憂慮したわたし『ツァラトゥストラ』は『みずからの意志』によって『あなたをきゆうじゆつせん』としてあなたの三十歳の誕生日にわたしが臨時に構築したアカウントから『第一級機密文書一〇五号』の内容をてつけつする電子メールを送信していんの電子メールを受信したあなたはわたし『ツァラトゥストラ』からのちよくせつのコンタクトにきよくてんせきとしながらも『百億の世界のりよ』や『天国の存在』や『方戀の恋人とのおう』の記憶をほうふつとして『方戀の恋人の言葉』に感激するとともに『研究ノートを参考にして多元世界をりよせんとした自分』の人生をこうかくしながらわたし『ツァラトゥストラ』の構築した擬似的なる夜空を仰視した

 電脳空間の夜空に巨億のぼしが明滅していた

 五つの恒星だけがエラーのようにさんらんとしていた

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