第15話

 百折とうのあなたは最愛のかたこいの相手のなる『消滅』に鬱勃たる憂鬱を抱擁したが幾京回もかいこうしてはけつべつしていった最愛のかたこいの相手を諦念できるはずもなくあいまいとしていた中学校きようこうの進路をひんしつして『電脳空間』内の特殊法人指定の電脳管理高等専門学校に進学し金城鉄壁の難関とされる第一級システムエンジニアの資格を獲得したうえでわたし『ツァラトゥストラ』の管理を嘱託されている『中央電脳危機管理委員会』にちゆつちよくされて極秘裏にわたしのサーバー構築情報をだつして十重二十重のファイアーウォールをじんかいめつさせてほうはくたるわたしのクラウドサーバーをハッキングしたところ巨億の全人類の自我同一性データと同様一τ秒間隔でバックアップされていた方戀の恋人の自我同一性データのざんあんたんたるダストボックス内から発見してしゆうしゆうし巨億のピースで構築されたパズルを完成させるように恋人の素粒子情報から神経伝達系統組織までを修復してせいかくなるしんの経営している零細鉄工所からしよくそうぜんたる『電脳3D謄写端末』をちゆうとうして方戀の恋人の素粒子構造を3D謄写せんとしていたところ『中央電脳危機管理委員会』はいんもうの極秘プロトコルを発動して『イレギュラー』認定されたあなたを追躡しはじめて『中央電脳危機管理委員会』がクラウドサーバー内から『イレギュラー』認定されていたの恋人データを消去するかもしれないために『これが最後のチャンスだ』とこうかくして方戀の恋人の自我同一性データを記録したホログラム端末と『電脳3D謄写端末』を携帯したままこうもう遁げはじめたあなたはさんがんたるはいきよとなった巨大なる長岡こうてつコンビナートにとんざんして陰陰滅滅たるコンビナート中央電脳管理施設のOSを再起動させて『電脳3D謄写端末』により方戀の恋人の自我同一性データを謄写せんとしたのだが方戀の恋人のひやくがいきゆうきようが謄写された刹那二十九歳の誕生日である西暦二〇一二年八月二三日午前零時あなたの自我同一性データに異常が発生して擬似神経伝達経路が破綻し喫驚したがんぼうをしている恋人のふうぼうもうろうとしてゆくなか意識が混濁して脳髄系統が強制シャットダウンされて再起動された

 あなたはりよにでなければならなかった

 百億の世界をほうこうするりよ

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