第6話

冒険者ギルドにたどり着いた私たちは早速受付へ並ぶ、門兵の人がやたらと睨みを利かせていると感じていた私は周りをキョロキョロと眺めてみる。すると私の腕にやたらと視線が集まっていることに気づいた。やはり従魔とは珍しい物なのだなと感じた私は門兵さんに甘える形で大人しくしていることにした。私たちの順番になるとペルリタさんが代表して話をしてくれる。


「ようこそ。冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用件でしょうか?」


「実は私の娘がウルフをテイムしてしまいましたので従魔登録とついでに冒険者登録をお願いしたくて」


「かしこまりました。では冒険者登録をしますので、こちらの書類に記入をお願いします。代筆は必要でしょうか?」


「結構です」


そう言うとペルリタさんは書類に何やら書き込んでいる。私は背が足りないため見ることはできなかった。ペルリタさんが書類を書き終わると受付嬢が確認して私に読み聞かせてくれる。


「名前、アリシア様。職業、薬師。スキル、生活魔法。従魔、ウルフ。以上でよろしいでしょうか?」


私が返事をすると受付嬢はその書類を持って後ろに下がると何やらプレート状のものと首輪を持って戻ってきた。


「最後に魔力を測定させていただきます。この水晶に手を当ててください」


私は言われた通りに水晶に手を当てると水晶が色を赤紫色に変わった。


「三等級ですね」


受付嬢はそう言い、プレートに何やら書き込んでいく。私は何のことか分からなかったため質問してみた。


「等級とは何ですか?」


「それは魔力の総量です。最上位が黒で一等級、下に行くにつれ赤、紫、蒼、白と色が変わります。アリシア様の年齢で三等級ですと将来有望ですよ。これで冒険者登録ができました。こちらが身分証明となりますので無くさないようにしてください。それとこちらの首輪は従魔である証明となりますので必ず従魔につけてあげてください」


そう言って先程何か書き込んでいたプレートと首輪を受け取った。すると一呼吸おいて受付嬢が話始める。


「では冒険者ギルドでの注意事項を説明させていただきます。まず依頼の受け方ですがあちらの依頼書から受けたい依頼をはがしてこちらへ持ってきてください。依頼と冒険者にはランクが決められており、冒険者ランクより一つ高いランクの依頼まで受けることが可能です。アリシア様はGランクのため依頼はFランクまで受注可能です。依頼には期限が設けられているものもございますのでその期限を過ぎると依頼失敗となります。依頼が失敗しますと違約金が発生する場合もございますのでご注意ください。では最後に冒険者同士の乱闘は禁止です。拳のみの場合は厳重注意で済みますが、武器を抜いた場合には冒険者資格を剥奪させていただきます。何か質問はございますか?」


「依頼をずっと受けなくても冒険者資格は剥奪されないのでしょうか?」


「はい。冒険者証を身分証明として利用される方がいらっしゃいますのでGランクの方のみ剥奪はされません。ですがそれ以上になられますと半年の間に一度は依頼を達成してもらう必要があります」


「分かりました。他にはありません」


「では冒険者登録料で銅貨十枚を頂きます」


するとペルリタさんが銅貨十枚を支払った。私は金をとるのかよと思ったが街の出入りが無料になるのだ。それぐらいの金銭は必要かと思い直した。ここで私は先程採取できなかった竹のことを思い出した。どうせ許可がおりないのであれば冒険者に頼んでしまうのも手だなと思い、ペルリタさんに相談する。


「ペルリタさん。さっき見つけた竹の採取を依頼しちゃだめ?」


「そうね。私たちでは少し危険だし、依頼を出してしまいましょう」


そう言うとペルリタさんは慣れた様子で依頼表を記入していく。途中で手が一回止まり、私に質問する。


「何本必要かしら?」


「とりあえず二十本お願いします」


書き終えた依頼表を受付嬢が確認する。


「これ本当に依頼していただいてよろしいのでしょうか?」


「はい。私たちでは少し危険だと思うので問題なく受理してください」


「分かりました。では依頼領と達成報酬で銅貨三枚を頂きます」


依頼も受理され、ウルフェンの従魔登録も終えたところで私たちは冒険者ギルドを後にした。

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