【110:1話完結作品が多数ランクインする不思議さ】

 今回の内容について、あくまでも『不思議』に思ったので、テーマとして取り上げてみたことを先に宣言しておきます。



 最近(この原稿を書いているのは2024年4月です)一部のカテゴリーにおいて、1話で完結した作品が、ランキング内の多数を占めていることに気づきました。

 またカクヨムから自分宛ての自動紹介メールではエッセイが多いのですが、それもほぼ1話完結ばかり。紹介するにしても、そればっかりはさすがに多すぎです。違和感すら感じます。

 

 1話完結だから、ランクインしている作品を私もこっそり覗くことがあります。あくまでの自分の印象になりますが、公平に見ても内容的に『う~ん???』と、首をひねることもあります。

 まあ、私の感性と、他の読者さんの感性の違いによるところもあるのでしょう。


 確かに1話完結作品でも、一つ二つであればランキングに入ることもあるだろうと思います。

 もちろんその作品が読者のニーズに合っているからランキングに入るとも言えますが、そうした作品が結構な数、ランキング(100位以内を考えた場合)を占めているのを見ると、普通に考えてもこの状態は多すぎると感じます(さらに言えば数話程度のものも含めるともっと多くなる)。

 むしろ不自然さを感じているので、今回テーマに取り上げました。


 カクヨムのランキングは、『★』の数が全てですけれど、1話で終わっているのに何故そこまで高評価になる作品が多いのでしょうかね・・・。それとも今の時代は、1話完結の方が読まれやすいのでしょうか? コツでもあるのでしょうか?

 そうなるとやはり、たくさんの★を得るには、たくさんの作家さん同士交流することが大事なのでしょうか?(ランキングを意識する上で、他者との交流要素は多かれ少なかれ、必ずあると思います)

 頭の固い昭和世代の人間なので、色んな事をかんぐってしまいます。


 ただあえて連載物にせず、1話完結にすることで、条件さえうまく整えば、連載物に比べるとランキングに登場しやすくなる。現在の状況を見ると、それは断言できると思います。

 例えば十話完結のエッセイ作品と、一話完結が十作品分あるエッセイ作品、どっちがランキングに入る可能性が高いと思いますか? 

 自分の名前、作品を目につかせることを最大の目的とするならば、圧倒的に後者の方が可能性が高くなります。読者一人が付けられる★の数を考えれば、その答えは明かでしょう。


 ★の数さえついていれば、作品の規模やPV数に関係なく、少なくともランキングに入ったり、あわよくば上位に食い込んだりする現在のシステム自体、欠陥そのものだと以前から感じていました。それが一番の問題だと思います。


 自分もたまにランキングに戻ってきますけれど、実際、こんなものは時の運です。

 もちろんランクインすることは嬉しいですし、評価していただけたことはとても光栄で、常に感謝の気持ちを忘れないようにと思っています。

 でも基本はランキングに入らなくても構いませんし、興味を持ってくれた読者さんに読んでいただければ、それでよいと考えています。


 せめてランキングを席巻するのであれば、もう少しきっちりと形作られた作品たちで占められて欲しいです。存在感のある作品であるべきと感じます。

 もちろん短編として、存在感があるものもあります。

 でも1話完結がここまで流行り、当たり前になり、一種のランクインのための手法となってしまうと、さすがにその全てに存在感があるとは思いません。存在感の薄い作品の方が目立つようなおかしな現象が起きていると感じます。

 ランキングそのものの意味がおかしくなっていないか。改めて運営さんには考えてみて欲しいです。


 むしろこうした短い作品が多数を占めるのであれば、最初から短編部門としてすみわけを行った方がハッキリとわかりやすくなるのではないでしょうか?

 相変わらずランキング教のような状態であるならば、いっそのこと、ランキングなどなくしてしまえばよいとも思っています。

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