【92:ライトノベルの人気、凋落って聞いたけど?(前編)】

 いつの頃からか、ライトノベルの人気が落ち込んできていると、そんなことを耳にする・・・というか、記事なので目にするようになりました。定期的にこの話題、チラホラと顔を出してくれますね。 

 現在の私はあまりライトノベルに触れていないので、本当のところはどうなのかわかりません。むしろ素人同然です。


 それでもWEB投稿サイトなどを見ると、ライトノベルというマス目から、次のマス目へとコマがどんどん動いている傾向は、素人ながら感じています。一種の進化の過程のようにも見えるのです。

 募集しているコンテストの内容を見ると、ひところのような偏りも無く、幅が広がっています。これがコンテストとして、本来のあるべき姿だと思います。

 ただしエンターテインメント性は失うことなく、根本を支えています。ガチの小説と区別するためにも、ここは変えられないのでしょう。


 随分昔になりますが1990年前後(『ロードス島戦記』は1988年なので、そこを実質的な起点と考える)に産声をあげた際、こうした作品群は明らかに中高生、もう少し幅を広げると大学生くらいまでが、メインターゲットだったと思われます。

 もちろんその頃の社会人のかたがたが読んでいてもおかしくはありません。

 

 ですがいつの頃からか、ライトノベルは大人向けの小説になったと言われています。元々中高生時代に読み始めた人たちが大人になって、そのまま読み続けていたことを考えれば、自然な流れだろうと思います。

 因みに私自身は社会人になってから一度離れたものの、三十歳になった頃から再び読み始めました。なので若干ブランクがあります。

 

 メイン層が上にそのままスライドしたことで、結果的に現在の中高生たちがとっつきにくくなった部分もあったのかも知れません。やはり世代間の格差と言うのは、いつの時代もありますからね。

 あくまでも素人の考えでしかないので、本当のところはわかりませんけれど。


 また次々誕生したWEB投稿サイトの影響が大きかったのでしょう。

 書き手さんたちの中には1990年代を中高生として過ごし、当時のそうした作品を読み、影響を受け、そして今の時代に書いているかたがたも、きっと多数おられると思います。

 つまりです。書いている人たちが大人なのですから、どうしたって思考が大人向けになってしまうのは、致し方ないと考えます。


 十代の若い人たちはまだわからないでしょうが、二十年、三十年と年齢を重ねると、自然と十代の気持ちなど薄れてしまうものなのです。

 完全に気持ちを忘れていないとしても、書いているうちにどこか大人の気持ちが混ざってしまうものだと、実際に自分でも書いていて、感じるようになりました。

 何しろ社会に出ると色んなことを経験しますからね。良いことも、悪いことも。そうした経験もあって個性も少しずつ変わって、文章の方にも影響を与えるのだろうと思います。

 

 少し長くなってきたので後編へ続きます。

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