【90:『予定』と『目指す』って、これ・・・】

 2023年12月から始まる『第9回カクヨムWEB小説コンテスト』。

 一部を除くと、多少の注文はありますが、そんなに細かくないように思いました。あまり決めつけてしまうと、かえって幅が狭まりますからね。

 ある程度の自由さを与えることで、幅広く作品を求めるのは良いと思います。

 でも、逆に作家さん側は難しくなるかも知れませんね。それこそ腕の見せ所です。


 そんな中、要綱を読んでいてちょっと気になる文言を発見。今回のタイトルにもありますが、大賞で『予定』(出版)とその他は『目指す』(出版以外も含めて)という文言。

 もしかしたらこれまでのコンテストでも、普通に使われていたかも知れませんが、気になったので取り上げます。

 

 仕事の世界で『予定』ほど『未定』のものはありません。つまりこれ、確約されていないわけですよね。恐らくよほどのことがない限りは、一冊くらい出版されるとは思いますけど。

 また『目指す』はあくまでもその方向に向かうだけ。途中でとん挫する可能性もそれなりに高いということ。結構曖昧なんですよ。

 また『目指す』ことになった作家さんが複数いたとして、その中で達成される人の数は? 全員にはならないと思いますよ。予算とか、人員配置とか、色々あるはずですから。


 これ、デビュー確約されていないことが、現状を物語っているように思えるのです。これだと後付けで何とでも変えられますよね。

 つまりコンテストで大賞にはなれる(あくまでも応募全体でのナンバーワンでしかない)ものの、もう一つ殻が破れない作家さんの可能性があるということ。逆に最初からその程度と割り切ってのコンテストとも取れなくもないと、厳しいようですが私は考えます。

 もちろん最悪の場合、大賞そのものが誰もいないなんてことも。別に珍しいことではありませんが、そうなるとあまりにもお粗末ですし、コンテストの意義に疑問を覚えてしまいます。

 

 実際に過去(しかも90年代)のこうしたコンテストでも、後から調べてみると出版されずに終わった受賞者さんがいたり、取り敢えず雑誌に読み切りだけは載せてもらって、それでおしまいになった受賞者さんがいたり。昔からそういうことが行われていたことを、つい最近、古い当時の雑誌を確認しているうちに気づきました。

 きっとこういうこと、どこでも昔から続いているんだろうな。


 厳しいことを言えば、応募している時点ではただのアマチュア作品(プロ部門を除く)。せいぜい、ちょっと上手い素人レベル。なので必要以上にシビアな目で見られてもおかしくはありません。

 その覚悟をもって、参加者みなさん、参加してください。ご健闘をお祈り申し上げます。

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