真面目な幼馴染が交通事故に遭い変態な事になりました。割と真面目に助けて下さい。(進化形)
アキノリ@pokkey11.1
第1章 千羽という富豪の幼馴染
信じられない
山菱達也サイド 交通事故に遭った幼馴染
千羽美里(せんばみさと)。
千羽美幸(せんばみゆき)。
この2人をこの学校で知らない奴は居ないであろう。
成績の上位1位2位がそれぞれこの2人が何時もキープしているから、だ。
俺はそんな成績表が張り出されている紙を4月の朝に見ながら。
やれやれ、と思う。
「ったく。見せつける様に毎回上位に載りやがって」
俺は考えながら不愉快な気持ちでそのまま教室に戻って来た。
それから教室の椅子に腰掛ける。
すると友人の栗林仁(くりばやしじん)が話し掛けて来た。
チャラい服装をしていて茶髪ながら彼女すら居ない童貞マンだ。
俺の腐れ縁の友人と言える。
「どうした?また上位がアイツらか?お前の元幼馴染か?」
「まあそうだな。.....相変わらず腹立たしいよ」
「まあまあそう言うな。昔の高嶺の花が成長して今の状態なんだぜ?誇れよ」
「バカ言え。何年前の話だっつーの」
俺はまたも不愉快そうに思いながら。
外の景色を見つめる。
千羽美里。
千羽美幸とは.....昔、婚約の約束をした。
大金持ちの家だ。
『約束!将来結婚!』
『わたしともけっこん!』
そんな可愛い性格だった野郎が。
今ではクールになり。
そして姉妹共に俺を無視する様な性格になってしまった。
全く.....何というか。
俺にとっちゃその約束は汚点だ。
今になっては。
彼氏が出来たという噂は無いが。
「.....でも不思議だよな。何でそんな約束をしたにも関わらず結婚して無いんだ?」
「お前は俺の傷を抉るのが得意なのか?良い加減にしろ」
「いや。疑問に思っただけだ」
「そうだとしても悪質だ」
そんな会話をしながら。
俺達はホームルームを待つ。
というか.....そんな汚点と思っているのに。
恋している俺も汚点だよな。
全く、と思いながら授業を待つ。
すると教室のドアが開いた。
しかし入って来たのは.....美幸である。
.....ん?
「この教室に山菱達也さんは居ますか!?」
「.....???.....どうした。美幸」
「.....お願いです。一緒に来て下さい!」
「.....は?」
俺は目をパチクリしながら美幸を見ていると手を掴まれた。
それから走りながら教室から連れ出される。
何だってんだよ!?、と思いながら美幸を見る。
美幸!どうした!、と聞くと。
お姉様が事故に遭いました、と小さく答えた。
「.....え.....」
「今、教師の方々が運ばれた病院に連絡をとっています。.....なので一緒に病院に行って欲しいのですが」
「.....そんな馬鹿な事って.....え?嘘だろ?」
「.....脳挫傷の疑いがあるそうです。.....飲酒運転の車で.....」
涙声で美幸は俺の手を引いて行く。
俺はその姿を見ながら心底愕然とする。
流石に嘘とは思えない状況だった。
まさか俺の好きな人が。
そんなまさか。
「.....脳挫傷って.....死んで無いよな!?」
「.....分かりません。先ほど入って来た情報です」
「.....馬鹿な.....」
信じられない。
嘘だろ美里、と思いながら俺は心臓をバクバクさせる。
そんな事ってあり得るか?
ついさっきまで妬んでいた罰が当たったのか?
まさか.....。
俺はそう考えながら。
そのまま職員室にやって来る。
そこでは美里の担任が慌ただしく動いていて。
俺達を見るなりやって来た。
「病院に行けるか?お前ら。ご家族が行けないそうだから」
「.....はい。行きます。私と.....この方で」
「.....先生。今はどうなっているんですか?」
「.....事故が遭ってから20分経った。.....よく分からないが瀕死では無いようだが.....」
「.....」
あり得ない。
美里.....その。
死んでほしくない。
俺は思いながら心臓に手を添える。
そして青ざめる。
俺は考えながらそのまま俯く。
「三菱君」
「.....何だ?美幸」
「私と一緒に来てくれますよね?」
「.....どんな形であれ当たり前だろ。俺は.....お前らの幼馴染だったしな」
「.....!.....そういう所が.....」
赤くなる美幸。
少しだけ困惑している。
それからボソッと何か喋った様だが聞こえない。
聞き返したが、何も言っていません、と答える。
何だよ。
「.....美里お姉様は.....私にとっては重要です」
「.....それはそうだろうな。一心同体の様な感じだしな」
「どんな形であれ死んでほしくない。.....怖いです」
ブルブル震える美幸。
俺はその美幸の頭を.....触るのを躊躇ったが触った。
そしてビクッとする美幸。
俺を見上げてきた。
身長差が10センチあるので。
「.....大丈夫だ。死なない。.....アイツは今でもアイツだから。頑丈だしな」
「.....」
「.....ってかお前.....泣き虫は治ってないな?」
「.....煩いですね。というか今はそんな事を言っている場合じゃ無いでしょう」
そうしてから病院に連絡が取れた。
そして俺達はそのまま病院に向かう為にタクシーに乗る。
そのまま総合病院に向かいそうしてからICUに向かう。
美里は.....包帯を頭に巻いて横になっていた。
何て事だ.....、と思いながら俺は強いショックを受ける。
この後にどうなるか.....知らないまま、だ。
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