第10話 童話を書き始めてます。

朝晩の暑さも和らぐ9月。

私のB5ノートも新しくなった。


相変わらずイラストを描いている。

イラストの題材は私が読んだ童話の場面。

最近は童話を読むとイメージがすぐ湧くようになった。


ただファンタジーの世界のドワーフとエルフとかがよくわからないので、それは異世界漫画を少し拝借。


この前、おばあちゃんが、こんなことを言ってくれた。


『あなたが描いた絵はとてもやさしくて素敵だよ。それに物語が少し書いてあったけど、おばあちゃん、引き込まれたよ。』


何十年もの間、いろいろな本に囲まれて人生を歩んできたおばあちゃんに褒められると、なんだか自分に才能あるのではないかと思ってしまう。


そんなちょっとした勘違いに、より一層、執筆やイラストに力が入ってしまう。



そういえば、おばあちゃんがもう一つ気になること言っていた。


言葉ことはちゃん、かなり明るくなったね。もう3年、そろそろいいだろうにね 』


凄く気になる言葉だったけど、私はそこに踏み込む勇気がなかった。

ただ、おばあちゃんの口ぶりから美澄さんとはかなり親しい間柄なのはわかった。



それよりも今、私は少しずつ書いているこの短編童話を美澄さんに見せようかどうか迷っていた。

完全におばあちゃんの誉め言葉を真に受けて、私の書いたこの童話、美澄さんが読んだらどのような感想をくれるのだろうか。


『 なかなか面白いよ 』かな、いや『 素敵な話だね 』のほうがうれしいな。


ノートパソコンで正書した方が見やすいかな?

でも手書きの方が私の挿絵が入っているし....

でも、でも、やっぱり字があまり綺麗じゃないからなぁ。


どうしようかな....



カタカタカタ》という音とともにお客様が入ってきた。


「いらっしゃ..いませ。」


そこには車いすの女性と美澄さん立っていた。

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