エピローグ:また会う日まで



《 《 《『ダガー』様と『クロセ』様のパーティーが、『グラウンドトータス』の初の撃破に成功しました!》 》 》


《ブレイブハートの効果時間が終了しました》


《おめでとうございます。ユニークモンスターを撃破しました!》


《経験値を取得しました》


《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》

《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》

《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》

《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》

《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》

《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》



《冒険の技術スキルのレベルが上がりました!》

《冒険の技術スキルのレベルが上がりました!》

《冒険の技術スキルのレベルが上がりました!》

《冒険の技術スキルのレベルが上がりました!》 

《冒険の技術スキルのレベルが上がりました!》



《冒険の知識スキルのレベルが上がりました!》


《冒険の記録スキルのレベルが上がりました!》

《冒険の記録スキルのレベルが上がりました!》


《『大地のお守り』を取得しました!》


《称号『大地の上に立つ者』を取得しました》

《特殊クエストが解放されました》






「……えっ?」



鳴り響くそのアナウンスに、オレは呆気に取られて立ち尽くした。

なんで報酬が入ってる?


分からない。

俺は、たった1%の残りを削っただけなのに。

こんなの貰う資格は無い。


コレは――アイツが貰うはずだったものだ。



「ふざけんな……」



コレじゃ。


――『やっぱり、何も貰えなかったよ』――


決めていた台詞が、言えない。



「……はぁ、なんなんだよそれ」



すっかり落ち着いたこの地面。

オレはそれに寝転んで――息を吐いた。


この、緑が支配するグリーンエルド。

広がる世界が視界に広がる。

やりきれない。



「どうすりゃ良いんだよ、オレは」



分からない。

せめて、彼に何かを返したい。

取得したアイテムは――



《アイテム説明:大地のお守り》


持っていると力が湧いてくる貴重な石。


闊歩する大地討伐時、低確率で得られるアイテム。インベントリに存在するだけで、VITとMNDが上昇する(複数所持による重複効果は無し)。

キャラクター帰属品。トレード不可。



「キャラクター帰属……か」


それは、つまり誰かに渡すとかが不可能なもの。


「どうしてこう……ああもう!」


分からない。

でも何故かさっきから――笑う罠士の顔が浮かんできて仕方がない。

まるで今。驚いて、狼狽して、嘆いている自分の姿を予知されていた様な。


何なんだ?

なあ。今そこに居たら、問いただしてやるってのに。



「――待ってろ、ダガー」



だから、次。彼に会った時には。

何か――言葉に出来ないけれど、もの凄いレアアイテムを渡してやろう。

返すと言っても受け付けない。送り付けたら送り返す。


だから今度は、お前が呆気に取られる番だ。



「覚悟しろよ。あと……ありがとな」



やがて再会するその時に、彼を驚かせる為に。

胸中きょうちゅうに溢れる想いを忘れぬ様に。

インベントリから旅の記録を開き、ペンを握ってこう記した。






――『この世界には、無限の可能性が広がっている』――















△作者あとがき



というわけで、第一部と閑章完結です!

更新は一時停止、作者は充電期間に入ります。


本当に多くの方に見ていただいて感謝しかありません。最後までお付き合い頂き、本当に本当にありがとうございました。


それではまた。

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