悪戯
《罪ポイントが加算されます》
《PKペナルティが発生します》
《PKペナルティ・第一段階》
リンカが行った後。
俺は、屋根から武器屋NPCに石ころを投げた。
『なんだぁ!?』
別にクソ店主にイラついたからやった訳じゃない。これは検証の為だ。
……お、ほら来た。
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
『どこだ!?』
『どこだ!?』
流石NPC、息ぴったしだ。
しかし見つからない様で、彼らはネズミのようにキョロキョロと探す。
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
「増えた」
思わず呟く。
全くこちらに気付かないまま時間が過ぎたと思えば、門番の数が四人になったのだ。
「楽しくなってきたな」
《罪ポイントが加算されます》
《PKペナルティが加算されます》
《PKペナルティ第二段階》
あ、やっぱヤバいかも。
☆
《罪ポイントが加算されます》
《PKペナルティが加算されます》
《PKペナルティ第三段階》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
「まずいことになった」
やばいやばい、数多すぎて気持ち悪い。
8人だぞ8人。
屋根の上なのに匍匐前進してるよ俺。
――「おい何だよこれ」「門番多くね?」「何かのイベント?」――
下のプレイヤーは困惑した声を上げる。
イベントではなく、門番が仕事してるだけ。
あーあ、どうしようこれ。
適当な所で降りて牢獄行こうと思ってたのに。
《罪ポイントが加算されます》
《PKペナルティが加算されます》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
《始まりの街・門番 LEVEL???》
「もはや笑える」
プレイヤーより多いんじゃないこれ。
それでも全員が同じ顔じゃないのはゲーム制作者の心意気を感じるよ。
……つーか、さっきペナルティ上がらなかったよな?
ああ、気になってしまう。
すまん下のプレイヤー。もうちょっとだけ付きあってくれ。
☆
《罪ポイントが加算されます》
《PKペナルティが加算されます》
《PKペナルティ第四段階》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
「……」
――「おい絶対おかしいってこれ!」「なんで街に看守が居んだよ!」「イベントの情報なんて何も……」――
もう驚かない、そう思っていたがダメだった。そして俺の名前は真っ赤になっている。
初めて会った、リンカと同じモノ。
アイツ凄いんだな。
「……どうしよ」
迷う。
このまま経過を見てみたい、そんな気も――
『――ウオオオオオオ!!』
なんて。
そう思っていたら。
「ッ!?」
俺を、巨大な殺意が射止める。
見れば看守全員が、屋根の上の自分を見ていて。
……あ、逃げなきゃ。
屋根まで登ってくる気迫を感じる。
『――ウオオオオオオ!!』
『――ウオオオオオオ!!』
『――ウオオオオオオ!!』
『――ウオオオオオオ!!』
『――ウオオオオオオ!!』
『――ウオオオオオオ!!』
「やっば――」
リンカの様にはならずとも、俺は屋根の上を走り――屋根と屋根を跳び伝って。
「ぐッ……はは、やっぱ凄いわアイツ」
もう2つ飛び越えればという時に。
俺は、地面に落ちた。
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
迫り来る奴ら。
戦闘フィールドまでは、後30m。
彼らとの距離は10m。
このまま走っても、彼らのスピードなら追い付かれる。
さあ、どうするか?
「――『高速罠設置』ッ――」
走りながら、そのスキルを発動。
《地雷を設置しました》
《地雷が発動しました》
「うぐッ――と!!」
設置した瞬間に地雷に足裏で触れる。
背を向けて、発射装置の要領!
「良いね――!!」
そのまま吹き飛ぶ身体を何とか支え、衝撃を利用しダッシュスピードを加速。
気分は追い風だ。
ちょっと強烈すぎるけど!
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
《始まりの街・看守 LEVEL???》
『ウオオオオオオ!!』
『ウオオオオオオ!!』
『ウオオオオオオ!!』
『ウオオオオオオ!!』
残り15m。
地雷、マジで使えるぞ。
落とし穴が嫉妬してしまうぐらいには。
「うおおおッ――!!」
避けていく観衆を背に、俺はダッシュ。
走ってくる看守は――すでに遙か後ろ。
あっけにとられるプレイヤー達を置き去りに――そのまま俺は走り去った。
そして気付く。
「これ、屋根の時からやっとけば良かった」
《始まりの街・戦闘フィールドに移動しました》
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