『地雷とは、罠士にとっての希望である』
二度目のログイン
《始まりの街でログインしました》
どうやら、闇市でログアウトしてもログイン時は始まりの街・非戦闘フィールドに移動するらしい。
……と思ったら設定で変えれるんだっけ。
闇市にしておこう。
《ログイン地点を変更しました》
――「おい見ろよアレ!」「え、レベルバグってない?」「確か最前線でもあそこまではまだ――」――
で。降り立つやいなや、周囲の声が聞こえる。興味ないけど。
「そういやステータス振ってなかった」
ログイン後、違和感で気付く。
罠に夢中で何も振ってなかったよ。
□
プレイヤー名:ダガー
職業:罠士
LEVEL20
HP:3000
MP:300
STR(筋力値):10
INT(知力値):5
DEX(器用値):8
AGI(敏捷値):17(+11)
VIT(体力値):5
MND(精神値):5
ステータスポイント:残り10ポイント
罪ポイント:【190】
skill:
罠設置LEVEL20
体術スキルLEVEL2
素手戦闘スキルLEVEL2
隠密スキルLEVEL1
装備 :始まりの革装備一式
所持品:『始まりの街』マップ HPポーション(小) MPポーション(小)
所持金:12000G
取得称号一覧
『罪を背負いし者』
『初めてのプレイヤーキル』
『看守殺し』
『大罪人』
『脱獄者』
『大物喰らい』
『お尋ね者』
『番人の宿敵』
□
あの看守との戦闘でも感じたがやはりスピードは重要だ。
AGIに振って、あとはいつも通りSTR。
一応殴るからね自分。
殴り罠士……うーん、しっくり来ない。
DEXは今のところ恩恵を感じない。遠距離攻撃の命中率、急所攻撃のダメージどうこうが関わるらしいが……今はまだちょっとでいいかな。
ちなみにMPとかは余裕だし、魔法なんて撃つ未来が見えないからINTとMNDは振る事なんてないだろう。
この辺のステータスの考察は、他プレイヤーがやってる事だし任せよう。
俺は気になる事しか検証しないんだ。
共に生きる仲間の為――そんな検証勢の様な立派な思想は持ち合わせていない。
自己中心的で良いんだ、ゲームぐらい。
ソロだしな!
大罪人だし! 世界なんて知るか。
《リンカ様からメッセージリクエストが届いています》
「ん?」
ソロとか言ってたらたった一人のフレンドから何か来た。
えっと、MMOの『ささやき』機能みたいなもんか。
まあいいや承諾しよう。
《メッセージリクエストを承認しました》
《『テメー何で一晩でそんなレベル上がるんだよ! おかしいだろ!』》
《『普通にレベル上げしただけだ』》
《『嘘つけテメー! 絶対ありえねぇよ!』》
一瞬でバレた。
そりゃそうか、一緒に狩りしたもんなコイツと。
罠士の狩り性能の低さはリンカが俺の次に知ってるはずだ。
《『ふはは、悪いな』》
《『……』》
《『ん?』》
黙り込むリンカ。
素直じゃないなコイツ、教えを請うのは悪ではないのに。
《『……だって。こんな一気にレベル離されたら、びっくりするじゃん……』》
《『お、おう』》
《『ねえ。あたし『同盟』にいらない……?』》
なんでそんな泣きそうな声?
いつもその感じなら可愛いのに。
ぶっちゃけコレはコレでちょっと面倒くさいけど。
《『心配すんな。お前は同盟の一員だ、この『情報』は共有する。安心しろ』》
《『じょ、情報』?》
《『詳しくは会って話す。フレンドメニューから俺の居るチャンネルに移動してこい、10分後ぐらいに』》
《『……分かった!』》
あ、声が元気になった。
ちょっとからかってやろう。
《『孤高のトッププレイヤーじゃなかったっけお前』》
《『うるせー!!』》
《『じゃ』》
《リンカ様とのメッセージを終了しました》
……と、いう訳で。
10分の間に昨日の検証の確認及び改良した考察を試すとしよう。
リンカも来るし、さっさと済ませないとな。この闇市で。
『地雷ジャンプ』の検証を。
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