第3話
付き合い始めてからは、
順調であった。
仕事も上手く行き、
充実した毎日を送っていた。
しかし、
付き合う前ほど
彼女が求めて来ない。
同期の男も、
前のような
気持ちの昂りも無くなっていた。
スパイスが足りなくなっていたのだ。
背徳感や高揚感が足りなかった。
そこで、
会社の帰りにバーに一人で入り
彼氏持ちの女を物色した。
寝取りに目覚めてしまっていたのだ。
何人か声をかけ
一番好みの女に絞って
声を掛けた。
元々イケメンで、
口の上手い同期の男は
すぐに口説く事が出来た。
これが、
同期の男の終わりに
近づいているとも知らずに…
同期の男は勘違いをしていた。
プライドの塊のような男は、
「自分が逝かせられない女はいない」
と本気で思っていたのだ。
彼女が同期の男を求めたのはあくまで
元彼がマグロで行為に興味が薄かった為である。
マグロの男と比べれば
普通のテクニックでも
よく感じただけであった。
だが、同期の男は勘違いを強めていった。
今までに、関係を持った女性達も
「イケメンにナンパされた」
「イケメンと寝た」
などの打算があっただけで
行為自体を満足出来た女性は
ほとんどいなかったのだ。
女性は、みんな女優だ。
それなりに演技が出来てしまう。
そこに勘違いする男もたくさんいる。
その一人が同期の男だった。
バーで口説いた女と連絡先を交換し
その日は帰宅した。
「楽しみが増えたな!」
と、笑みを浮かべながら
メッセージを送っていた。
ここから
転落人生の始まりである。
それからは、
こまめに連絡を取り、
隠れて会うようになった。
何度か会って、
ようやく自然な流れで
ラブホテルへと誘い出す事が出来た。
今日は、
彼女が
ほとんど行かない地区を選んだ。
見つかることはないと
鷹を括っていた。
しかし、
その一部始終を
彼女に見られていたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます