第24話 大人なアイドルは、お勉強。「駐車場契約で、思い出した。レイカも、お友達も、18歳。一部、成人扱いされるようになったんですよ?」

 「フレー、フレー。レ・イ・カ!」

 「フレー、フレー。レイカママ!」

 気合いの入った、不思議な声。

 「元気出せ、レイカ!」

 友達は、私の高校中退に、気が付いていたんだろうか?

 「あら!お母さん、やられちゃった!」

 母は、おとなしくしていてください。

 「許してください、レイカママ?」

 「私たち、やってしまったんですね?」

 呆れた。

 「…とりま、部屋に上がってよ」

 でもまあ、こういう呆れがあっても、良かったのかな?これで、緊張が、ほぐれるんだろうから。

 「フレー。フレー!」

 「フレ、フレ!」

 元気だな…。

 「ねえ、レイカママ?」

 「オーディションの前って、どこで、どんな物を食べられるんですか?」

 「そっか。悩んじゃうねえ…」

 母よ!

 そこ、悩むところでは、ありません。

 「さあ、出かけましょう」

 「かしこ!」

 「同じく、かしこ!」

 出発、だ。

 オーディションの会場があるっていう事務所まで、車移動で、2時間くらい?

 車移動は、順調。高速道路から見る車窓の景色は、無愛想だった。

 昼食は、高速道路を降りて一般道に入った先で、済ませた。ファーストフード店は、気軽だね。

 「応援も、緊張する」

 「レイカママも、緊張ですか?」

 「ドキドキね」

 そこの人たち、静かにしておくれ。

 正午に、さしかかり…。

 通知書に書いてあった駐車場に、駐車。

 「あれ?」

 事務所にいくと、入口に、貼り紙。

 「オーディション会場は、こちらです」

 すぐ近くの、ちょっと小さめアリーナにいかなければならなくなった。

 徒歩で、移動。

 「事務所の、契約駐車場だったのね」

 「レイカママ、良かったですね?」

 「都会じゃ、これから駐車場探すとか、やばいですし」

 私は、緊張で、しゃべれなかった。

 「そうだ」

 「どうしました?」

 「レイカママ?」

 「駐車場契約で、思い出した。レイカも、お友達も、18歳。一部、成人扱いされるようになったんですよ?」

 …え、勉強会?





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