優等生の知られざるpast
渡瀬はかつて高校1年の頃、今の高世と同じように応援歌練習を変えようと動いていた。だが、それは当時の生徒会長によってすぐに潰されてしまった。しかし、なおも納得のいかない渡瀬が調べていると、当時の生徒会長がまだ学年主任だった立花の腹心であることを突き止めた。当然、渡瀬は憤慨したが、どうすることもできなかった。
その年度末、渡瀬はそれまでの思いもあって生徒会長に立候補し、選挙の結果無事当選したのだった。その直後、立花からある提案を持ちかけられる。渡瀬が卒業してOBとなった後、もし望むのであれば、応援歌練習をやめてもいいと言ってきたのだ。ただし、来年度の3月に卒業生へのはなむけとして、応援歌練習を彼らに見せると言う条件付きで。渡瀬は迷った。自分が散々嫌悪してきた応援歌練習の指揮を取ると言うのか。だが渡瀬は受け入れた。そうしない限り、変えることはできないと確信したからだ。その望みを成就するために渡瀬は応援歌練習に対する抗議をことごとく退けてきたということだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます