第36話 符呪“記憶削除”
流されるアリシアを追いかけて、今更ながらに気づいてしまった。
「なんで空の方、向いてるんだ?」
呟いた。
確かに、空の方を向いてくれていると受け止めてやすいかもしれないが今となってはさっきの大の字に広げてたときよりも落ちるスピードが速くなって、デメリットしかない。
「ったくーー!!」
このままだとアリシアがあと30秒もすれば地面に直撃だろう。俺はさらに魔力消費を多くして、スピードを上げる。
そして、なんとかーー
「っよっと!」
「きゃっ!今度はなに、ってロワ!?」
俺がキャッチするというのは、プラン外ではあるため、驚くのも無理はない。
「大丈夫か?さっきの風、結構強かったと思うけど…」
「だ、大丈夫。それよりも…」
アリシアが俺に抱えられたまま、足をもじもじさせていた。
「いや、いいよ。このまま俺が学園まで飛んでいく」
「う、うん」
なんとか、危機を脱した俺たちはこのまま学園に戻るのだった。
その間アリシアがなぜかずっと顔が赤く見えたのは、俺の幻覚なのだろうか…
ひとまず、俺は見ないふりをした。
★★★
「まだあるの?!」
「どこまでもすばしっこい…!」
私、音羽はずっと抵抗を続けていた。一瞬でも隙を見せてしまうと、捕まえられる。そして、またあの自由のない生活が訪れて、さらに兵器にされるかもしれない。
そんなところに帰るなんて二度とごめんだ。だからこそ、死ぬ気で抵抗する。でも、思った以上に相手の仕込んだ布石が多い。
さっきお兄ちゃんたちを上空へ移動させたあの魔法陣。あれと似たようなものがたくさん教室の床に仕込まれていた。しかも、私の見解が正しければあの魔法陣は私が踏んだときにしか発動しない仕組みになっている。
「よっと!ここにもー!?」
「これだから勘のいいガキは」
私を捕まえようとする奴らは、一人だけ追いかけてくる短気な男以外、全員動いていない。それが不自然すぎて、あまり行動できずにいるのが現状だ。
私は、一か八かで手に魔法陣を浮かべる。そして、いくつかの水玉を作り出す。
「
私の魔力、記憶削除を付け加えた水玉。計4つ。あの動いていない人たち全員分の記憶を消すには十分だった。
それをぶつける。
「はっ!そんな水の玉でなにができるってんだ?今から水遊びでもする気か?」
私を追いかけていた残念にも、頭の悪い男は私を笑っていた。仲間の記憶が消えたとも知らずに。
水玉をぶつけてから、すぐにその効果は表れた。
「おい!おまえら、なにしてる!」
その人たちが歩き始めていたのだ。そして、ここでようやく私の思惑が達成する。
ーーーーーーーーっっっ!!!
その人たちが仕込んであった魔法陣を踏んだのだ。同時に、教室どころか校舎が飛んでしまうかもしれないほどの強風が教室を
「まさか、これが目的で!」
「さあ?どうでしょう」
私はそういうと、さらに挑発するような動きで「べぇー」と、その男を怒りの限界が来るまで煽るのだった。
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さて。毎日ずっと私の睡眠時間が30分から1時間削られております…
というわけで、基準を決めました!
この小説のpv数が3500に行ったら睡眠時間を削るのはやめにします!
そして、遂にカクヨムでもタイトルが考えられない病気が発症しそうです…
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