第15話 昼休みに会長と(ガチの)一騎打ちをしたんだが…
午前中の授業が終わり多くの生徒がショップで争いを起こしていれば、もう昼ご飯を食べている人までいる。
そんななか昼ご飯を食べる暇もなく、ロワはグラウンドに向かう。そこには会長が腕を組んで立っていていかにも強者である雰囲気を醸し出している。
「来たね」
「なにをするんですか?」
「ロワくん!僕と勝負をしよう」
「はぁ…」
なにを言っているのかさっぱりだ。勝負をどうやってするのかもわからないし、どうも隠しているつもりなのだろうが、数人の気配がする。
「とりあえず、決闘形式でだ」
そう言って、会長は剣を鞘から引き抜いた。そして、構える。俺はなにも持っておらず、手ぶらだ。
「ロワくんは、武器はなしでいいのかい?」
会長の魔力が剣先に集中していく。
(おいおいガチかよ…)
俺は心の中で呟いた。もちろん、このつぶやきも会長に読まれていることを前提に話を進める。
「俺も全力で迎え撃ちたいので、1分待ってもらっていいですか?自分の剣を取ってきますので」
「いいとも。ただし、1分以内に戻って来なかったら僕の不戦勝だ」
俺は頷き、そのまま速度上げで教室までダッシュ。さらに鍵を取ったら寮までダッシュ。この間の時間、20秒もないはずだ。
俺は押し入れから冒険者として活動するときの剣を取り出す。そして、再びグラウンドまでダッシュ。
「58秒、か」
ギリギリ間に合ったらしい。魔力消費を抑えようとしたらギリギリ負けてしまうところだった…
俺も剣を鞘から引き抜くが、一昨日に手入れを忘れたせいで少しガサついていた。
「いいんですか?周りの人。俺の剣が当たっても知りませんよ?」
俺は少し脅し気味に強く言い放った。すると、会長が笑いはじめた。
「あっははは!まさか気づくとは」
同時に、この辺りにいた人たちが全員グラウンドから離れる。
「さて。一発勝負ってことでいいですか?僕まだ昼ご飯食べてないんで」
「それでいいよ。さあ!始めようか!」
途端に会長が俺に襲い掛かってくる。ギリギリ会長の剣を避けたものの、胴体がガラ空き状態になってしまう。それをすかさず会長は狙ってきた。
「ーーっ!!」
深く息をし、なんとか剣で防御。
軽く剣を振り回して、会長から強制的に距離を取る。
「不意打ちなんて、ずるいですよ…」
俺は地味に会長に切られた制服を脱ぎ捨てた。たった1部分しかなかったが、これ以上切られるのは嫌だった。
「敵は待ってくれないからね」
「じゃあ俺もっ!」
俺も軽く速度上げを利用して会長をどんどん追い込んでいる、つもりだ。実際、あの人はなぜか笑みを浮かべて全て受け流している。
「さあさあ、君の力はそんなものかい!?」
「めちゃくちゃテンション高いですね!」
煽りちらしてくるがなんとか冷静を保つんだ、俺。
そのままお構いなしに会長を追い詰める。グラウンドの真ん中まで戻りかけたところで、会長の表情が豹変した。
「さて。さすがに僕も後輩に負けるわけにはいかないわけだ」
そう言って、会長が俺に向けて魔力の放出による衝撃波を与えて、強制的に距離をあけさせてくる。
魔力には魔力で対抗するのが筋だが、元から魔力量が少ないため、ここで張り合うわけにはいかなかった。
「それじゃあ!終わりにしようかね!」
会長の剣に魔力が再び集中する。今度は剣先ではなく、剣全体に。接近戦による一撃必殺系の技がくると予測した俺はいつでも避けれるように体の力を抜いた。
「ふっっー!」
会長が剣を振ると、振った方向と同じ方向に魔力オンリーの斬撃がくる。接近戦だと思っていたせいで、反応に遅れてしまった。
咄嗟に、左側に移動するも会長に読まれていたため、左側に斬撃がくる。
(やっべぇぇーーーー!)
会長は人の心を読める。つまり、最初の一撃を脳内空っぽで避ければ距離を詰めることもできたのだが、それができなかった。
次も、その次も全て移動する方向が読まれるのだ。しかも、いつでも後ろを向けれるように左足を斜めにしている。
ぬかりがない。後ろに逃げられたところで結局距離を詰めることはできない。
「どうするんだい?ギャラリーの数も増えてきたよ」
ハイテンションな声ではなく、ちゃんとした会長の真面目な感じの地声だ。
俺も後ろを向くと、いつのまにか多くの生徒が校舎の窓から俺たちのことを見ていた。
(まずい…。これだけのギャラリーの前で無様に負けるのはさすがに嫌だ!かと言って勝ってしまうのもなぁ…)
「勝ちにくるんだ!全力で!」
会長が叫ぶと、俺もスイッチが入らないわけがない。これでも、会長よりかは戦闘経験が豊富なはずだ。
「じゃあ、容赦なく行きますよ」
そう言って、俺は速度上げを全開。会長も俺の速さにはついていけず、急に消えた俺を警戒している。
「静寂なる
前のムーンベア戦でさらに応用法を発見した空気に斬撃を入れる方法。これを360度、会長の周りに叩き込んだ。
「これでもうあの技は使えませんね」
「そうこなくちゃ」
俺は全魔力をこの斬撃を維持するために消費したため、あとは自然回復による魔力が少しといったところ。
速度上げを多くて5秒といったところだ。それで決着をつける必要がある。
会長の行動範囲がグラウンド全体から斬撃に触れるまでの円の中のみとなったため、俺的にも戦いやすくなった。
もちろん、俺もその円の中に入っている。
「もう魔力は残っていないだろう?それでどうするっていうんだ」
「それは会長のお楽しみにっ…!」
駆け込み、勢いを崩さないように会長を空気に入れた斬撃のところまで追い込む。いわば、挟み撃ちというやつだ。
それを大人しく挟み撃ちされる会長でもなく、自分の剣で魔力を放出して後ろの俺が作った魔力の斬撃を中和とまではいかなかったみたいだが、抜け出された。
「終わりだ」
「いえ、終わったのはそっちですよ」
俺たちは互いに余裕の表情を浮かべた。
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さてと。自問自答するのも変かもしれませんが、自分がなぜこのパートを生み出してしまったかがわからないんですよね。添削してて思ってしまった…
この会がなければ、って思ったことはマジでありました(笑)
今更思い返しても遅いので頑張って繋げます…
そして今日はこれ1つの投稿になりそうです。
というわけで、小説のフォローしてくれたりとか、★をつけてくれるとモチベーションがあがるかも!?
実は地味に1日にフォロワー1人増やすことを目標に掲げてたりします
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